フェリーに乗って、3時間。 島が見えてきたとき、なぜか胸が締め付けられた。 海士町は、島根県の沖合60kmに浮かぶ小さな島だ。 コンビニも新幹線もない。 それでも、この島を目指す人が後を絶たない。 何かが、ここにある。 そう確信したのは、上陸した瞬間だ。
海士町のおすすめスポット
キンニャモニャセンター|島の玄関口で、旅はもう始まっている
菱浦港のすぐそこに、その建物はある。
名前がすごい。
キンニャモニャセンター。
最初は笑ってしまった。
でも中に入って、笑えなくなった。
島の産物が並ぶ売店、観光案内所、レストラン。
ここに来ると、海士町のことが全部わかる気がする。
「海士の牡蠣、食べてみて」と、スタッフが勧めてくれた。
殻ごと網の上に乗せて、しばらく待つ。
ぱかっと口が開いたやつを、そのまま食べる。
磯の香りと、濃い旨味。
東京で食べる牡蠣とは、別の生き物だ。
フェリーの出発まで時間があるとき、ここに来ると飽きない。
島のお土産もほぼ揃う。
帰りの荷物が重くなるのは、ここのせいだ。
中ノ島(海士町)|何もない、が正しい言葉じゃない
「何もない島」と言う人がいる。
実際に来てみると、それは全然違う。
島を一周するのに、車で1時間ちょっと。
走っていると、急に海が広がる。
誰もいないビーチに、思わず車を止めた。
砂浜に降りて、靴を脱いだ。
波の音だけが聞こえる。
夏の午後2時、気温は31度。
それでも不思議と、ぼーっとしていられた。
島の内陸に入ると、棚田が続く。
草の匂いがして、カエルの声がする。
集落の小道を歩くと、おばあさんが縁側にいた。
目が合ったら、手を振ってくれた。
ここには「時間」がある。
スマホが気にならなくなる場所は、そう多くない。
海士町は、その数少ない場所のひとつだ。
海士の塩|「塩」で、島のことを好きになった
海士町に来て、塩を買って帰る。
最初は、そんなつもりじゃない。
「海士の塩」の工房は、海沿いにある。
小屋みたいな建物で、外から見ると何か拍子抜けする。
でも中に入ると、塩を煮詰める釜が並んでいて、むわっとした熱気がある。
ここの塩は、天日と薪の火だけで作る。
隠岐の海水を、何日もかけて濃縮していく。
ひとつの塩が出来上がるまで、7〜10日かかると聞いた。
試食させてもらった。
角がない。
じんわり甘い。
こんな塩、食べたことがない。
100g入りで540円。
高いと思わない。
むしろ、安すぎる気がした。
東京に帰ってから、この塩でご飯を炊いた。
なんで、こんなにうまいんだろう。
海士町のことを、また思い出した。
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海士町への行き方
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