山陰の小京都、と呼ばれる場所はいくつかある。 でも津和野は、その言葉が一番しっくりくる町だ。 川沿いに泳ぐ錦鯉、石畳の続く武家屋敷跡、山の上に浮かぶ城跡。 どこを切り取っても絵になる。 そして不思議なくらい、静かだ。
津和野のおすすめスポット
太皷谷稲成神社|1000本の鳥居をくぐって、山の神様に会いに行く
参道に入った瞬間、空気が変わった。
連なる朱色の鳥居が、山の中腹へと続いている。
伏見稲荷を思い浮かべる人もいるだろう。
でもここはもっと静かで、もっと深い。
鳥居の数はおよそ1000本。
歩いて登ると15分ほど。
ふもとから参拝する人も多いが、ぜひ自分の足で上ってほしい。
息が上がってきた頃、急に視界が開ける。
眼下に津和野の町が広がる。
瓦屋根の連なりと、田んぼの緑と、津和野川の銀色。
その景色を見るために、登ってよかった。
「稲荷」ではなく「稲成」と書くのもここだけ。
願いが「成る」という意味を込めているそうだ。
細かいことだけど、そういう話を聞くと、もう一度手を合わせたくなった。
津和野城跡|リフトで山頂へ。石垣だけが残す、城の記憶
城跡に建物はない。
天守も、門も、残っていない。
あるのは石垣だけだ。
リフトで山頂まで上がると、そこは霧の中だ。
晴れていれば町が一望できるらしいが、その日は真っ白。
でも不思議と、悪くない。
霧の中に浮かぶ石垣は、むしろリアルだ。
江戸時代、ここに人が住んでいた。
城があって、侍がいて、生活があった。
その痕跡が、石の積み重なりとして今もそこにある。
リフトの料金は往復500円。
乗車時間は約5分。
短いようで、山の斜面を眺めながらのぼる時間は思いのほか気持ちいい。
城跡から降りた後、ふもとにある「津和野城跡案内板」をちゃんと読んだ。
先に読んでおけばよかったと少し後悔した。
歴史を頭に入れておくと、石垣の見え方が変わる。
殿町通り|錦鯉が泳ぐ堀と、白壁が続く午後の道
この道は、朝と午後で表情が違う。
午後の光が白壁に当たる時間が、一番きれいだ。
武家屋敷の白壁が続く殿町通り。
道沿いの堀には錦鯉が泳いでいる。
観光地によくある「鯉の餌やり」的な演出ではなく、ただそこにいる。
のんびりと、深くゆったりと。
通りを歩くのに30分もかからない。
でも何度も立ち止まった。
路地の奥が気になって入ってみたり、格子窓を近くで眺めたり。
途中にあるカトリック教会が面白い。
西洋建築なのに、周りの景色と妙になじんでいる。
明治時代の洋と和が混在した時代の空気が、今もここに残っている気がした。
土産物屋は通り沿いにほどよくある。
名物の源氏巻は、甘さが控えめで食べやすかった。
ひとつ150円前後。おやつに丁度いい。
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津和野への行き方
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