神戸から電車で30分。 そこに、日本三名泉のひとつがある。 有馬温泉は、山の奥にひっそり潜んでいる。 六甲山を越えた先、標高約350m。 冬の朝、湯気が路地に漂う光景は、 来るたびに「ああ、また来てしまった」と思わせる。 歴史と湯と、小さな商店街。 それだけで、十分すぎるほど満たされる場所だ。
有馬温泉のおすすめスポット
金の湯|真っ赤な湯に、最初は驚いて、次に笑った
初めて見たとき、正直ビビった。
湯船が、赤い。
というか茶色に近い、濃い鉄さび色。
「本当に入って大丈夫?」と一瞬思う。
これが有馬名物、含鉄泉。
鉄分と塩分を多く含んだ「金泉」と呼ばれる湯だ。
温度は約42度。
熱めでピリッとくる。
浴槽は2種類。
熱めと少しぬるめ、交互に入るのがいい。
5分もすれば、体の芯がじわじわ温まってくる。
冬の夜、外から入ってきた体には特に効く。
上がった後も、なぜかずっと温かい。
湯冷めしにくいのが金泉の特徴だと地元の人に聞いた。
タオルが黄ばむので、白い高級タオルは持ち込まないほうがいい。
これ、マジな話。
料金は大人800円。
朝8時から営業しているので、朝風呂にもいい。
湯上がりに路地を歩くと、体から湯気が立つのが見える。
それがまた、気持ちいい。
銀の湯|透明な湯に、静けさが沈んでいた
金の湯から歩いて3分。
銀の湯は、静かな路地の奥にある。
湯は、透明だ。
金の湯を見た後だと、なんか地味に見える。
でも入ると、全然違う。
炭酸水素塩泉とラジウム泉のブレンド。
すべすべとした感触が、肌に残る。
いわゆる「美人の湯」系の泉質だ。
温度は約42度。
金の湯より少し柔らかく感じた。
建物の中が静かで、落ち着いた雰囲気がある。
金の湯に比べると観光客が少ない。
地元の常連らしいおじさんが、のんびり湯に浸かっている。
そういう空気が、むしろ好きだ。
料金は大人650円。
金の湯とセット券(1,150円)もある。
両方入るなら絶対セット券がお得。
ハシゴするのが、有馬温泉の正しい楽しみ方だ。
湯から上がって、縁側みたいな場所でぼーっとした。
冬の空気が冷たくて、体がじんわりしている。
それだけで十分だ。
太閤の湯殿館|豊臣秀吉が、ここで湯を浴びている
有馬温泉と豊臣秀吉の関係は、かなり深い。
秀吉は生涯で数十回、有馬に湯治に来たと記録が残っている。
太閤の湯殿館は、その秀吉ゆかりの遺構を展示している施設だ。
入館料は大人300円。
安い、。
館内に入ると、まず床に注目してほしい。
発掘された当時のままの湯殿の遺構が、そのまま床下に保存されている。
「ここに秀吉が来ていた」という現実が、じわじわ押し寄せてくる。
石を組んだ浴槽の跡。
配管の跡。
400年以上前の「お風呂」が、そこにある。
展示は派手じゃない。
こぢんまりしている。
でも、ここでしか見られないものがある。
それで十分だ。
冬に来ると、観光客が少なくてゆっくり見られた。
ガイドの方が丁寧に説明してくれた。
「秀吉はここを本当に気に入っていたんですよ」という言葉が、なぜか頭に残っている。
温泉に入る前か後、30分だけ立ち寄る価値がある場所だ。
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有馬温泉への行き方
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