海と山と、温泉が全部ある場所がある。 和歌山の白浜は、そういう欲張りな旅人の期待を ちゃんと超えてくる。 白い砂浜を素足で歩いて、断崖から太平洋を見て、 神社の空気に静かに息をのんで。 一泊では足りないと気づくのは、いつも帰り道だ。
白浜のおすすめスポット
白良浜|白すぎる砂に、思わず二度見した
これが本当に日本の砂浜?
最初の感想はそれだ。
砂が白い。
沖縄みたいに白い。
正確にはシリカという成分が多い石英砂で、
だからこんなに白くなるらしい。
7月の昼過ぎに行った。
空の青と海の青と砂の白が、
コントラストとして完璧すぎて少し笑えた。
浜の長さは約620メートル。
歩いてひと回りできるコンパクトさがいい。
海水浴シーズンは更衣室や売店も出る。
夕方に戻ると、砂がオレンジ色に染まっている。
朝と昼と夕方で、全部ちがう顔を見せる浜だ。
冬に来たときは人がほとんどいなくて、
その静けさがかえって忘れられない。
三段壁|足元が崩れていくような、あの感覚
柵に手をかけて下を見た瞬間、足がすくんだ。
高さ約60メートルの断崖が、
南北に2キロつづいている。
波が岩に叩きつける音が、腹の底に響く。
地上から観るのもいいけれど、
エレベーターで地下36メートルに降りると、
洞窟から直接、波と岩の衝突が見える。
料金は1,300円。
少し高いと思ったけれど、後悔はしない。
洞窟の中は薄暗くてひんやりしていて、
波が来るたびに轟音が反響する。
体で聴く音、という感じだ。
曇りの日のほうが、岩の色が濃く出て迫力がある。
天気のいい日にくればよかったと思っていたけれど、
曇り空のほうが三段壁には似合うと、後から知った。
千畳敷|岩の上で、ただ海を見ている
ここは「観る」場所じゃなくて「いる」場所だ。
砂岩が波に削られて、
畳を敷いたように広がった岩の台地。
面積は畳で換算すると約1,300畳分あるらしい。
入場料は無料。
それだけで少し好きになった。
岩の表面は思ったより歩きやすい。
岩の窪みに水が溜まっていて、
小さなカニが動いている。
夕暮れ時にくると、岩がオレンジと赤に染まる。
三段壁から歩いて数分の距離にある。
セットで回るのが普通らしいけれど、
千畳敷のほうがずっと長く居たくなった。
観光客が来ては写真を撮って去っていく中、
ひとつの岩の上に腰を下ろして
30分くらい海を眺めている。
そういうことができる場所だ。
那智の滝|音が先に届いた
鳥居をくぐった瞬間、滝の音が聞こえる。
まだ見えていないのに、もう音がしている。
落差133メートル、日本一の落差を誇る滝。
数字を聞いてもピンとこなかったけれど、
目の前に立ったらわかった。
ただ、大きい。
参拝料300円を払って、さらに近づける。
岩の前に立つと、飛沫が顔にかかった。
夏でも冷たくて、一瞬で汗が引いた。
那智大社と青岸渡寺と滝が重なるアングルは
どこかで見たことがある景色だ。
でも実際に立つと、写真とは全然ちがう。
体積がある。重力がある。
白浜から那智へは車で約1時間15分。
少し足を伸ばす価値は十分にある。
熊野古道・大門坂から登るルートが、
個人的には一番好きだ。
熊野本宮大社|静かすぎて、しばらく動けない
石段を登りながら、空気が変わるのがわかった。
日本最大規模の大鳥居が立つ「大斎原」は
元々の本宮があった場所。
田んぼの真ん中に、突然あの鳥居が現れる。
高さ33.9メートル。
遠目に見ると、鳥居だけが宙に浮いているように見える。
今の本宮は石段を登った先にある。
社殿の中は撮影禁止の場所も多い。
だから、記憶で持って帰ることになる。
冬に訪れたとき、境内に人が少ない。
檜皮葺きの屋根に薄く雪が積もっている。
神社特有の冷たい空気の中に立って、
なぜか胸の奥がじわっとした。
ここにくると、何かを手放せる気がする。
理由はうまく説明できない。
でも確かにそういう場所だ。
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