修学旅行で来たきり、という人も多いはずだ。 でも大人になって再び訪れると、奈良はまるで別の顔を見せる。 鹿の目が思ったより鋭くて、大仏の大きさに言葉を失って、 山の奥に落ちる滝の音に、しばらく動けなくなった。 歴史という言葉では足りない。もっと、生々しい場所だ。
奈良のおすすめスポット
東大寺|大仏の前で、自分がちっぽけだと知る
南大門をくぐる前から、すでに圧倒される。
高さ8.4メートルの金剛力士像が左右に立っていて、
その迫力に思わず立ち止まった。
大仏殿に入ると、視界が一気に暗くなる。
目が慣れてきたとき、ようやく全体像が見える。
高さ約15メートルの盧舎那仏。
写真では何度も見ていたのに、
実物は想像の3倍くらいでかかった。
首が痛くなるほど見上げた。
堂内の柱に直径37センチの穴があって、
大仏の鼻の穴と同じサイズだという。
くぐると御利益があるらしく、行列ができている。
大人はけっこうギリギリだ。
朝8時の開門直後に入るのがおすすめだ。
修学旅行生が来る前の静寂の中で、大仏と向き合える。
あの時間は、なかなか贅沢だ。
春日大社|3,000基の燈籠が灯る、静かな森の奥
参道を歩き始めると、空気が変わった。
杉の木が両側に立ち並んで、
日中なのに薄暗い。
燈籠の数が3,000基以上あると聞いていたが、
実際に並んでいると数える気にもなれない。
苔がびっしりついていて、どれも古い。
中には奈良時代からあるものも混じっているらしい。
本殿まで進むと、朱色が鮮やかで思わず声が出た。
春は藤の花が境内に咲いていて、
その甘い匂いが漂ってくる。
春日大社と藤の花は、本当によく合う。
毎年2月と8月の節分と盂蘭盆には「万燈籠」があり、
全ての燈籠に火が灯される。
その日は特別公開で夜18時から参拝できる。
いつか絶対に見に行きたいと思っている。
朝イチで来ると、鹿が参道でのんびりしている。
写真より、ずっといい光景だ。
奈良公園の鹿|かわいいと思っていたら、舐めてた
鹿せんべいを買った瞬間、囲まれた。
10頭以上が一気に近づいてきて、
バッグまで引っ張られた。
鹿は「神の使い」として大切にされているが、
実際に接してみると野生そのものだ。
目が完全に本気だ。
春になると子鹿が生まれる。
5〜6月頃に公園の茂みの中に隠れていることが多く、
たまたま出会えたときは声が出た。
もう、本当に小さくてふわふわしている。
鹿は国の天然記念物なので、
傷つけたり追い回したりするのは厳禁だ。
せんべいを持ったまま走るのも危ない。
渡したら、さっと手を広げて「何もない」を示すのがコツだ。
東大寺と春日大社の間の芝生エリアが、
一番のんびりしている。
シートを敷いて、鹿を眺めながら昼寝したくなる場所だ。
赤目四十八滝|奈良に、こんな場所があったのか
正直、期待値は高くない。
でも渓谷に入った瞬間、「来てよかった」。
全長約4キロの渓谷に、大小様々な滝が続く。
「四十八」は数が多いという意味で、
実際には40以上の滝が点在している。
最初の滝「不動滝」は落差15メートル。
轟音と水しぶきで、すぐ近くまで行けない。
それでも近づくと、全身が冷たくなった。
春は新緑がすごい。
緑のトンネルの中を歩いている感覚があって、
光の差し込み方が美しかった。
最奥の「岩窟滝」まで往復で約3時間かかる。
スニーカーだと足元が滑る場所もあったので、
トレッキングシューズがあると安心だ。
入口で日本サンショウウオが保護・展示されている。
奈良にこんな秘境があるとは思わない。
人があまり多くないのも、よかった。
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