鳥取県の山奥に、時間が止まったような町がある。 智頭は、かつて因幡と播磨を結ぶ街道の要所だ。 今も残る古い町並みに、足を踏み入れた瞬間わかる。 ここは「整備された観光地」ではない。 本物の時間が、そのまま残っている場所だ。
智頭のおすすめスポット
石谷家住宅|2000坪の屋敷に、息を呑んだ
入口の門をくぐった瞬間、スケールが違うとわかった。
建坪700坪以上、部屋数40以上。
山陰随一と言われる大地主の屋敷が、今もそのままある。
庭がとにかくすごい。
縁側に腰を下ろして、ぼんやり眺めていたら30分が過ぎている。
石の配置、苔の色、水の音。
どこを切り取っても絵になる。
内部も圧巻だ。
江戸後期から昭和初期にかけて増築を重ねた建物は、歩くたびに空間が変わる。
畳の部屋、板張りの廊下、土間、蔵。
迷子になりかけた。
入場料は700円。
この規模でこの値段は、正直安すぎる。
見学には1時間は欲しい。
できれば1時間半。
智頭宿|街道沿いに、江戸がある
石谷家住宅から出て、そのまま通りを歩いた。
智頭宿は、因幡街道の宿場町として栄えた場所だ。
驚いたのは、「再現」じゃないこと。
古い建物が今も現役で使われている。
カフェになった蔵、雑貨を売る古民家、現役の酒蔵。
暮らしと歴史が、同じ場所に混在している。
諏訪酒造では、酒蔵の見学もできる。
創業1859年。
建物の中に入ると、木と麹のにおいがした。
試飲もある。
通り全体の長さは1キロほど。
ぶらぶら歩いて1時間から1時間半あれば十分だが、気になる店に入り始めると時間が足りなくなる。
実際、気づいたら2時間以上いた。
平日の午前中は人が少ない。
ゆっくり見たいなら、その時間帯が正解だ。
板井原集落|山の奥に、忘れていた景色があった
智頭の市街地から車で約20分。
山道を上ると、突然視界が開ける。
板井原集落は、江戸〜明治期の民家が今も残る集落だ。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
でも、そんな肩書きより、実際に立ってみた感覚の方が正直だ。
ひっそりとしている。
観光客向けの何かがあるわけじゃない。
茅葺き屋根の家、石垣、細い水路。
それだけ。
それだけなのに、なぜか長居してしまった。
空気が違う。
湿度があって、山のにおいがして、静かだ。
鳥の声しか聞こえない時間帯があった。
集落内を歩くのに30分ほどあれば一周できる。
ただ、来る途中の道も含めて楽しめる。
紅葉の時期は特に良かった。
11月上旬がちょうど見頃だ。
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智頭への行き方
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