冬の日本海は、荒れている。 それが、越前だ。 波の音が遠くまで響いて、風が顔に刺さる。 でも、その崖の斜面に白い花が咲き乱れている。 紙の町があって、岬があって、水仙がある。 派手さはない。 だけど、来た人間だけが知る、静かな充実感がある場所だ。
越前市のおすすめスポット
越前海岸の水仙|12月の崖に、300万本が咲いている
12月中旬、越前海岸に着いた。
駐車場に車を停めて、海側に歩く。
その瞬間、鼻をついた。
甘くて、少し重い香り。
水仙だ。
崖一面、白い花が広がっている。
遠くから見ると雪のようにも見える。
でも実際は、びっしりと水仙が群生している。
日本三大群生地のひとつと言われているらしい。
足元の砂利を踏みながら、斜面を少し下りた。
花の高さが目線に近くなる。
すごく小さな花なのに、こんなに主張してくる。
波の音と花の香りが混ざって、妙な気分になった。
観光客は数人しかいない。
平日の午前中を選んで正解だ。
見頃は12月下旬〜1月上旬。
早朝に行くと光が柔らかくて、特によかった。
越前岬|灯台の下で、海の怖さを知った
越前岬に立った。
風が強すぎて、帽子を押さえるのに必死だ。
眼下は、崖。
その先に、鉛色の日本海が広がっている。
夏に来た人には伝わらない。
冬の越前岬は、少し怖い。
灯台の白さが、余計に海の暗さを際立たせる。
灯台自体には登れないが、周辺を歩き回れる。
断崖の縁まで柵がある。
柵の向こうを覗くと、波が岩にぶつかって砕けている。
しばらく動けない。
すごい場所に立っている、という実感があった。
展望台から見ると、水仙ロードの全体像も見える。
岬の手前に「越前岬水仙ランド」がある。
入場料500円。
水仙のほかに展示もあって、雨宿りにも使えた。
ここで買った水仙の切り花を、帰りに車に積んだ。
翌朝まで、車内が甘い香りだ。
越前和紙の里|1500年の技術が、今もここで動いている
「パピルス館」に入った。
体験料1000円で、自分で和紙を漉ける。
スタッフの方に教わりながら、木枠を水の中に沈める。
繊維がふわっと広がる。
ゆっくり、均等になるよう揺らす。
これが、難しい。
何度やっても端が厚くなってしまった。
完成した紙は乾燥させて、後日郵送してもらえる。
850円の送料がかかるが、待つのも楽しみになる。
隣の「卯立の工芸館」は入場料200円。
実際の職人さんが作業しているのが見られる。
手が止まらない。
機械音がしない。
水の音と、紙を叩く音だけが聞こえる。
1500年前から続いているという事実が、ここにいると急に重くなる。
展示スペースには越前和紙でできた作品もあった。
紙なのに、布みたいな光沢があるものもある。
帰りにショップで便箋を買った。
1セット700円。
今も引き出しに入れたまま、使えずにいる。
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越前市への行き方
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