朝、6時に宿を出た。 誰もいない石畳の路地。 軒先から白い息が上がって、静かに朝市が始まる。 高山はそういう街だ。 派手さはない。 でも一度来ると、また来たくなる。 江戸時代からほとんど変わっていない町並みが、山の中にそのまま残っている。 それがどれだけ奇跡的なことか、実際に歩いてみて初めてわかった。
高山のおすすめスポット
古い町並|江戸時代が、ここだけ止まっている
三町伝統的建造物群保存地区、通称「古い町並」。
その言葉だけ聞くと、どこにでもありそうだ。
実際に歩いて、考えが変わった。
格子戸、酒蔵、用水路。
すべてが現役だ。
お土産屋でも、カフェでも、普通に使われている建物が江戸時代のものだったりする。
特に朝の8時台がいい。
観光客が増える前の、あの空気感。
日本酒の蔵元が杉玉を軒先に下げていて、その前を地元のおばあさんが自転車で通り過ぎていく。
これが日常なのか、と少し呆然とした。
一本入った路地も歩いてほしい。
メインストリートより、そっちのほうが面白い。
古い薬屋、手打ち蕎麦屋、陶芸作家のギャラリー。
気づいたら2時間経っている。
高山陣屋|権力の匂いが、畳の奥からしてくる
全国に残る郡代・代官所の建物は、ここだけだ。
江戸幕府が飛騨を直轄地にして、260年間統治した拠点。
入場料430円。
この値段で、江戸時代の権力装置に入れる。
畳の部屋が続く。
取り調べに使われた白洲がある。
お白洲の横に、拷問具が展示されている。
リアルすぎて、少し足が止まった。
お米の年貢を管理していた蔵も残っている。
天井が高くて、ひんやりしていて、当時の米俵を想像するとスケールが変わってくる。
係の方が常駐していて、質問すると丁寧に教えてくれた。
「ここの柱、全部オリジナルですよ」と言われて、触ってみた。
ツルツルじゃなくて、ざらざらしている。
300年以上前の木の感触だ、と思ったら鳥肌が立った。
朝市|寒いほど、活気がある
高山の朝市は2か所ある。
陣屋前と、宮川沿いと。
開始は7時。冬は8時。
初めて行ったのは11月だ。
気温3度。
息が白くなる中、おばあさんが漬物を並べている。
たくあん、赤かぶ漬け、こうじ漬け。
試食させてもらって、全部うまかった。
1袋300円〜500円くらい。
荷物になるのに、気づいたら3袋買っている。
野菜も花も民芸品も売っている。
でも一番面白いのは、売ってる人たちだ。
地元の農家のおばあさんたちが、普通に世間話しながら店番している。
観光地の朝市というより、地元の市場に自分が紛れ込んだ感じ。
朝市だけのために早起きしてよかった。
それくらいの価値がある。
白川郷合掌集落|雪が積もった夜、本当にここは江戸時代だ
高山から白川郷まで、バスで約50分。片道2,600円。
近いようで、山を越える。
トンネルを抜けた瞬間、景色が変わる。
夏に行くより、冬がいい。
断然、冬がいい。
1月〜2月の週末、夜間ライトアップがある。
合掌造りの屋根に雪が積もって、その白さが夜空に浮かぶ。
言葉にすると陳腐になるから、説明したくない。
見ればわかる。
集落の中は、今も人が住んでいる。
窓から灯りが漏れている。
生活の匂いがした。
「保存地区」という言葉が似合わない、生きている場所だ。
展望台まで登ると、集落全体を見渡せる。
夜は特に、集落の灯りがまとまって見える。
寒さも忘れた。
ライトアップ期間は整理券が必要。事前確認は必須だ。
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