杉の木立の中に、静寂がある。 観光地とは、少し違う場所だ。 永平寺は、今も700人以上の修行僧が暮らす、現役の禅寺。 参拝者を迎えながらも、そこには生活の緊張感が漂っている。 あの空気を一度吸ったら、また来たくなる。 そういう場所だ。
永平寺のおすすめスポット
永平寺|静寂の中に、修行の息づかいがある
境内に入った瞬間、温度が下がった。
気のせいじゃない。
樹齢700年を超える杉の木が、光を遮っている。
回廊を歩くと、修行僧とすれ違う。
目を合わせない。
足音もほとんどない。
あの静けさは、演出じゃない。
七堂伽藍と呼ばれる主要な建物が、回廊でつながっている。
法堂、仏殿、山門、僧堂、庫院、東司、浴室。
それぞれに意味があって、修行僧の生活がそこに詰まっている。
参拝ルートは一方通行。
のんびり歩いて1時間ほどかかった。
急いで回るような場所じゃない。
朝6時から参拝できる。
人が少ない朝イチがいい。
空気がちがう。
拝観料は大人500円。
高校生200円、小中学生200円。
傘松閣|天井を見上げて、息をのんだ
正直、最初はただの建物だ。
案内板に従って中に入り、上を向いた瞬間に声が出た。
天井いっぱいに、絵が広がっている。
230枚。
すべて花鳥風月を描いた色彩画だ。
この建物、昭和5年に建てられた。
当時の日本画家144人が筆を振るったと聞いた。
天井を見上げ続けて、首が痛くなった。
それでも目が離せない。
「傘松閣」という名前の由来は、近くにある傘のような形の松から。
その松はもう枯れてしまったけれど、建物は今も残っている。
絵の中に、5枚だけリスが描かれているらしい。
必死に探したけれど、2枚しか見つけられない。
また来る理由ができてしまった。
ここだけで30分以上いた。
観光客のほとんどが素通りしていく。
もったいない。
山門|ここから先は、別の時間が流れる
山門をくぐると、空気が変わった。
大げさじゃなく、そう感じた。
高さ約13メートル。
木造の三門で、寛政年間に建てられた。
左右に仁王像ではなく、五百羅漢が祀られている。
ずらりと並んだ表情が、全部ちがう。
修行僧はこの門を、修行期間中に一度しかくぐれないと聞いた。
入山の時と、下山の時だけ。
そう知って、もう一度山門を見上げた。
ここはただの入り口じゃない。
彼らにとって、覚悟を決める場所だ。
観光客は何度でも通れるけれど、その重みだけは受け取れた気がした。
山門の前で少し立ち止まるといい。
参道の先に杉林が続いている。
その景色だけで、来た甲斐があった。
早朝に来ると、朝もやが漂うことがある。
6時台、ねらい目だ。
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永平寺への行き方
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