新幹線を降りた瞬間、目に飛び込んでくるのは城だ。 ホームから天守が見える街なんて、そうそうない。 福山は、歴史が日常に溶け込んでいる場所だ。 派手さはない。 でも、歩くほどに好きになっていく。 そういう街がある。
福山のおすすめスポット
福山城|新幹線ホームから見上げた天守は、本物だ
新幹線の窓から見えたとき、思わず声が出た。
天守まで徒歩3分。
こんなに近い城は、初めてだ。
2022年に築城400年を迎えた城で、リニューアル後の天守内は見ごたえがある。
入館料200円で、最上階まで上れる。
北側の壁には鉄板が張られている。
これ、攻めてくる敵への備えだったらしい。
そんな説明を読んで、ようやく「ああ、本物の城だ」と気づく。
天守からの眺めは、まさに城主目線。
新幹線が走るのが見えて、時代の混在が面白い。
夕方に行くのがおすすめだ。
西日に染まる石垣の色が、午前中とはまるで違う。
あの光景はなかなか忘れられない。
備後護国神社|城のすぐ隣、静かすぎる空気の中に立つ
福山城の敷地内に、そのまま続いている。
観光客のほとんどが城へ向かうなか、この神社に立ち寄る人は少ない。
それがいい。
境内に入ると、急に静かになる。
木が多くて、風の音しかしない。
城の喧騒とは別の時間が流れている。
祭神は戊辰戦争から太平洋戦争で亡くなった備後出身の英霊たち。
そう知ってから、改めて境内を歩いた。
足が少し重くなる感じがした。
参拝は無料で、所要時間は15〜20分ほど。
観光スポットというより、手を合わせに来る場所だ。
城を見た後、ここで少し立ち止まる。
そういう順番がよかった。
なんとなく、福山という街の重さが分かった気がした。
鞆の浦|江戸時代が終わっていない港町
福山駅からバスで約30分、370円。
着いた瞬間、時代が変わった。
常夜燈、雁木、波止場。
江戸時代の港の造りがそのまま残っている。
世界遺産への推薦も議論された場所だ。
路地を歩くのが面白い。
地図なんて要らない。
とにかく細い道を入っていけば、古い町家と海が交互に現れる。
昼ごはんは「汀亭 ゑびす屋」へ。
鯛料理が名物で、鯛めし定食は2000円前後。
高いと思ったけど、後悔しない。
あの鯛の脂の甘さは、港町でしか食べられない味だ。
夕方になると観光客が減る。
常夜燈の周りで、地元の人が普通に歩いている。
「ここは観光地じゃなくて、生活の場なんだ」。
それが鞆の浦の一番いいところだ。