三重県

古江

漁村秘境自然

三重県の南部、リアス式海岸の奥にひっそりと存在する漁村・古江。 観光地図にほとんど載っていない。 それなのに、一度行った人が「また行きたい」と言う場所だ。 静かな入り江に漁船が浮かんで、カキ棚が海面を埋め尽くしている。 あの風景を見た瞬間、ここに来た意味がわかった気がした。

Best Season カキが旬を迎える12月〜2月がベスト。 冬の空気の中、湯気の立つカキを港で食べる体験は格別だ。 春は新緑と海の色のコントラストが美しい。

古江のおすすめスポット

01

古和浦港|時間が止まったまま、海だけが動いている

朝8時の古和浦港。

人影はほとんどない。

漁師が黙々と網を手繰り寄せているだけだ。

港のコンクリートに腰を下ろして、しばらくそこにいた。

エンジン音と、波の音と、カモメの声だけ。

観光地にいるのに、観光している感覚がまったくない。

ここは「見にくる場所」じゃなくて「いる場所」だ。

港の規模は小さい。

車で10分も走れば全体が把握できる程度だ。

でもその小ささが、余白を生んでいる。

地元の人に話しかけたら、当たり前のように話してくれた。

「ここは冬がいい。カキが一番うまい」と笑いながら。

午後になると光が変わる。

西日が水面に当たって、港が金色になった。

その15分間だけで、ここに来た価値があった。

■ 古和浦港 住所:三重県度会郡南伊勢町古和浦 料金:無料(見学自由) 駐車場:港周辺に数台あり ※漁師の作業の邪魔にならないよう注意
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02

カキ養殖場|海の上に広がる、もうひとつの田んぼ

古和浦の海を上から見ると、カキ棚が隙間なく並んでいる。

まるで水上の畑だ。

地元の養殖業者に声をかけたら、作業場を少し見せてもらえた。

収穫されたカキは1個500円前後で直売していることもある。

その場で食べると、磯の香りが鼻に抜けた。

ここのカキが旨い理由を聞いた。

「山の栄養が川を通って海に来るから」と即答だ。

リアス式海岸の地形が、プランクトンを育てる。

そのプランクトンがカキを太らせる。

理屈を聞いてから食べたら、さらにうまかった。

養殖棚の数は数えきれないほどある。

12月〜2月が出荷のピーク期で、この時期は港が一番活気づく。

防波堤の端まで歩いて、海の真ん中にいる気分を味わった。

足元の海は、驚くほど透き通っている。

■ カキ養殖(直売情報) 住所:三重県度会郡南伊勢町古和浦地区 直売時期:12月〜2月頃(年によって異なる) 料金:1個 約500円前後(目安) ※直売は不定期。港で地元の人に聞くのが確実
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03

漁村風景|路地の奥まで、生活が詰まっている

古江の集落は、山と海の間に張り付くように建っている。

道幅は車1台分しかない。

それでも人が暮らしている。

路地に入ると、網が干してあった。

猫が段差の上で丸くなっている。

おばあさんが、縁側でお茶を飲んでいた。

「どこから来たの」と聞かれた。

東京と答えたら、少し驚いた顔をされた。

「こんなとこまで」と笑いながら、お茶をすすめてくれた。

集落の高い場所から海を見下ろすと、全部が一望できる。

入り江、カキ棚、漁船、山の稜線。

その構図が、絵みたいにきれいだ。

夕方17時すぎ、西日が集落全体を染めた。

古い木の壁が橙色になった。

その色が消えるまで、その場を動けない。

三重県にこんな場所があることを、なぜもっと早く知らなかったんだろう。

■ 古江・古和浦 漁村エリア 住所:三重県度会郡南伊勢町古江〜古和浦周辺 料金:無料(散策自由) アクセス:紀勢自動車道 大宮大台ICから約60分 ※公共交通機関はほぼなし。車必須
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モデルコース

Day Trip 8:00 古和浦港着 → 9:00 漁村散策 → 11:00 カキ直売で昼食 → 13:00 高台から湾を一望 → 15:00 夕日前に帰路
1 Night 1日目:古和浦港の朝景 → 漁村をゆっくり歩く → 民宿泊(南伊勢町内)。2日目:早朝の港 → カキ養殖見学 → 周辺の海岸線をドライブ → 帰路。宿泊は事前予約必須。1泊2食8,000〜12,000円が目安。
Travel Tips 古江へは車が絶対に必要。 カーナビ通りに進むと、かなり細い道に入ることがある。 ガソリンは大宮大台IC付近で満タンにしておく。 カキを目当てに行くなら12月〜2月が確実。 夏は静かすぎるくらい静か。それが好きな人もいる。

古江への行き方

Access Time
名古屋から 約2時間50分
大阪から 約3時間45分
東京から 約4時間15分
高松から 約5時間25分
福岡から 約6時間15分
鉄道 松阪駅

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