名古屋から電車で1時間もかからない。 なのに、着いた瞬間に「遠くに来た」と感じる。 潮の匂いがする。 風が少し違う。 三河湾に面した蒲郡は、海と温泉と生き物が、 コンパクトにぎゅっと詰まった町だ。
蒲郡のおすすめスポット
竹島|橋を渡りきった先に、別の時間が流れている
387メートルの橋が、陸と島をつないでいる。
歩いて渡る。
風が強い。
足元に海が見える。
橋を渡りきると、空気が変わった。
木が深くて、鳥の声がする。
観光地なのに、静かだ。
島全体が八百富神社の境内になっている。
石段を上ると、三河湾が一望できる。
正直、こんなに眺めがいいとは思っていない。
島を一周するのに20〜30分ほど。
朝イチで行くのがいい。
観光客がまだ少なくて、
波の音だけが聞こえる時間がある。
橋の途中で振り返ると、蒲郡の町と海が重なって見える。
その景色が、正直いちばん好きだ。
竹島水族館|古くて、狭くて、なぜかずっといられる
入館料は800円。
建物は昭和の雰囲気が漂っている。
お世辞にも広くはない。
なのに、2時間いた。
展示の密度がおかしい。
タッチプールでは、ナマコを素手で触れる。
スタッフの手書きポップが、全部面白い。
「この魚、実はまずい」とか書いてある。
アシカショーは1日数回。
客席との距離が近すぎて、水が飛んでくる。
それが笑えた。
館内には「世界一深い水深の魚」の展示もある。
深海魚コーナーが充実していて、
ここが目当てで来るマニアもいると聞いた。
全国の水族館を何館か回ってきたけれど、
ここは明らかに異質だ。
お金をかけた感じがしない。
でも、愛情の密度がすごい。
そういう施設が、なぜか記憶に残る。
蒲郡温泉|夕方5時に湯に入ると、旅が完成する
竹島を歩いて、水族館を出たら夕方になっている。
そのまま温泉街へ向かった。
蒲郡温泉は三河湾を望む丘の上にある。
源泉は単純温泉。
くせがなくて、じんわり温まる。
日帰り入浴できる施設もある。
「海を見ながら湯に入る」体験は、
ここで初めてできる。
夕日が落ちていく時間帯が特にいい。
海の色がオレンジから紫に変わっていく。
その変化を、湯の中から見ている。
なんでもないことのように書いているが、
実際にはかなり贅沢な時間だ。
温泉街自体は派手ではない。
大型リゾートみたいな雰囲気はない。
それが逆に、落ち着く。
日帰りなら夕方に入って、駅前で海鮮を食べて帰る。
そのコースが、コスパ的にも気分的にも最高だ。