北海道

アポイ岳

自然絶景

稜線に雪が残る頃、アポイ岳はひっそりと静まり返っている。 標高810m。数字だけ見れば低い山だ。 でも、ここにしかない岩がある。 ここにしか咲かない花がある。 ユネスコジオパークに認定された理由が、登るたびに少しずつわかってくる。

Best Season 花が目的なら6〜7月。固有種が一斉に咲く。 冬(12〜3月)は静寂の雪山が楽しめる。ただし完全な冬山装備が必要。初心者は夏季推奨。

アポイ岳のおすすめスポット

01

アポイ岳登山口|夜明け前の駐車場で、覚悟が決まった

午前5時。駐車場に着くと、すでに数台の車がいた。

みんな無言で準備している。

その空気で、この山がただの山じゃないとわかった。

登山口の気温はマイナス4度。

吐く息が白く、すぐに消えた。

最初の1時間は樹林帯を黙々と歩く。

雪が締まっていて、踏み抜く心配はない。

アイゼンが雪をつかむ音だけが響く。

5合目を過ぎたあたりから、景色が変わった。

木が消えて、空が広がる。

足元の岩が、妙に赤みを帯びていることに気づいた。

かんらん岩だ。

地球の内側にあるべき岩が、ここでは地表に出ている。

それだけで少し、別の惑星にいるような気分になった。

頂上まで約3時間。

きつい、というより、ずっと飽きない登りだ。

■ アポイ岳登山口 住所:北海道様似郡様似町旭町地先(アポイ岳ジオパークビジターセンター横) 登山口までの駐車場:無料・約50台 入山届:登山口のポストに記入 所要時間:山頂まで約3〜4時間(往復6〜8時間) アイゼン・スノーシュー:冬期は必須
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02

アポイ岳山頂|810mの頂に、日高山脈が全部見える

山頂に立ったのは午前9時すぎ。

風が強かった。

体感温度はマイナス10度を下回っている。

でも、動けない。

日高山脈が左から右へ、どこまでも続いている。

白い尾根が波のように重なって、その向こうに太平洋が光っている。

夏には高山植物が咲き乱れる斜面も、冬は純白に沈んでいる。

それはそれで、清潔な美しさがあった。

山頂標識に手を触れると、指先がじんとした。

寒さと達成感が混ざって、うまく言葉にならない。

晴れているのに、雲が稜線に引っかかっては流れていく。

その動きをしばらくぼんやり眺めた。

10分くらい立ち尽くしていた気がする。

ガスが出る前に下山するつもりだったのに、なかなか足が動かない。

■ アポイ岳山頂 標高:810.6m 山頂の広さ:数人が立てる程度(狭め) 冬期の注意:強風・視界不良になりやすい。天気予報の確認必須 携帯電波:山頂付近はdocomoのみ繋がる場合あり ※単独登山は避け、複数人での入山を推奨
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03

アポイ岳ジオパークビジターセンター|登る前に寄ると、山の見え方が変わる

正直、最初は「帰りに寄ればいいか」。

でも登山口に隣接しているので、準備しながらふらっと入った。

それが正解だ。

かんらん岩の展示がある。

実際に触れるサンプルもある。

緑がかった、ずっしり重い岩だ。

アポイ岳固有の植物の写真もパネルで並んでいた。

夏に来れば見られるはずの、ヒダカソウやアポイアズマギクの写真。

冬の山頂でその名前を思い出すと、来年また来ようと思えた。

スタッフの方に話しかけたら、今日の雪の状態を教えてくれた。

「5合目から上は凍結してますよ」と。

地図も無料でもらえた。

入館無料なのに、情報量が多い。

山に登る人は、ここから始めるのが絶対いい。

■ アポイ岳ジオパークビジターセンター 住所:北海道様似郡様似町鵜苫149-25 TEL:0146-36-2534 開館時間:9:00〜17:00 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始 入館料:無料 駐車場:無料(登山者も利用可)
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モデルコース

Day Trip 5:00 登山口出発 → 9:00 山頂 → 12:30 下山 → 13:00 ビジターセンターで振り返り → 14:00 様似町内で昼食・解散
1 Night 【1日目】様似町に前泊。登山装備を整えて早めに就寝。 【2日目】5:00 登山開始 → 9:00 山頂 → 13:00 下山 → ビジターセンター見学 → 様似温泉で疲れを流して帰路。温泉は「みついし昆布温泉蔵三」(入浴600円)が近くておすすめ。
Travel Tips 冬のアポイ岳は軽アイゼンでは対応できない日が多い。 10〜12本爪のアイゼンとストックは必ず持参。 トイレは登山口のものが最終。 山中にトイレはない。 天候の急変が早い山なので、午後からのガスには要注意。 余裕をもって正午には下山を始めたい。

アポイ岳への行き方

ICカード利用可
Access Time
東京から 約8時間41分
水戸から 約9時間26分
前橋から 約9時間41分
高崎から 約9時間41分
甲府から 約10時間11分
備考 バス

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アポイ岳へは札幌から日帰りがおすすめ

近隣の温泉地や市街地に宿が集まる。


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