端っこまで来てしまった。 日本の地図を広げると、知床半島はぎりぎりの場所にある。 ここには道路が途切れる場所がある。 熊が普通に歩いている場所がある。 人間が「お邪魔します」と言わなければいけない、そんな空気がある。 それでもまた来たくなるのは、あの原始的な静けさが忘れられないからだ。
知床のおすすめスポット
知床五湖|熊の気配を感じながら、5つの鏡を歩く
朝7時、駐車場に着いた時点でレクチャーが始まる。
ヒグマの目撃情報が出ていれば、その日のルートが変わる。
そういう場所だ。
高架木道は無料で歩ける。
1湖だけなら30分もかからない。
でもそれだけで十分すぎる景色がある。
湖面が完全に静止している。
知床連山が逆さに映っている。
カメラを構えながら、息を止めた。
地上遊歩道は5月から。
ガイドと一緒に歩くルールがある。
そのガイド料、1人4,500円。
高い。
でも歩きながら「ここ3日前に熊が出た場所です」と言われた時、4,500円の意味がわかった。
春先は雪解け水で湖が満たされて、一番透明度が高い。
9月になるとヒグマが多く出没する。
どの季節も、気は抜けない。
カムイワッカの滝|温泉が滝になっている、という意味がわからない
「滝を登って温泉に入れる」と聞いた時、正直ピンとこない。
でも実際に足を踏み入れた瞬間、全部わかった。
川の水が、温かい。
滑る岩を踏みながら上を目指す。
素足か、マリンシューズがいい。
ビーチサンダルで来た人を見たが、すぐ後悔している。
一の滝の滝つぼまでは歩いて15分ほど。
硫黄のにおいが段々と強くなっていく。
その滝つぼに入ると、下半身がじんわり温かくなる。
上半身には冷たい滝水が落ちてくる。
その温度差が、なんとも言えない気持ちよさだ。
現在は環境保全のため一の滝までのみ立ち入れる。
シーズンは7月〜9月。
知床五湖とセットで動くのが定番のルートだ。
ただし道路状況によってアクセス方法が変わるので、必ず事前に確認してほしい。
羅臼岳|知床を全部見たいなら、ここを登るしかない
標高1,661m。
知床連山の最高峰だ。
木下小屋をスタートしたのが朝5時半。
登山口にノートがある。
ヒグマ目撃情報が手書きで残されている。
3日前、山頂付近で親子グマの目撃情報。
足が止まった。
それでも登った。
熊鈴を鳴らしながら、ひたすら登った。
大沢の雪渓を越えたあたりで景色が一気に開ける。
オホーツク海が広がっている。
反対側には根室海峡。
知床半島の稜線がずっと続いている。
「全部見えた」という感覚があった。
これまで地上で見てきた湖も、滝も、全部ここから繋がっている。
往復で9〜10時間かかる本格的な登山だ。
軽い気持ちでは登れない。
でも登り切った後の景色は、それだけの価値がある。
初心者はガイドと一緒に行くのが絶対いい。
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知床への行き方
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