流氷が接岸する季節、ウトロの海は白くなる。 ただの白じゃない。 音を消して、空気を固めるような白さだ。 知床半島の付け根にあるこの温泉街は、 冬にこそ本当の顔を見せる。 観光地というより、自然の中に人間が間借りしているような場所。 そこに湯がある。それだけで、来る理由になった。
ウトロ温泉のおすすめスポット
ウトロ温泉|流氷を見ながら、湯に沈む朝
宿の露天風呂に入ったのは朝6時だ。
外気温はマイナス12度。
湯気がもうもうと立ち上がって、
視界がぼやけるくらい白い。
その白さの向こうに、オホーツク海が広がっている。
流氷は1月下旬から3月にかけて接岸する。
運がよければ、湯船から見える。
実際に見える。
動かない白い塊が、海面を埋めている。
声が出ない。
ウトロ温泉は塩化物泉で、よく温まる。
湯冷めしにくいのは本当で、
冬の朝に入ると、昼過ぎまで体がじんわりしている。
街の温泉施設「ゆめホール知床」は日帰り入浴も受け付けている。
料金は600円。
タオルは持参したほうがいい。
地元のおじさんたちが静かに湯につかっていて、
それがまたいい光景だ。
知床五湖|冬の湖は、凍って静止している
夏は緑に覆われる知床五湖も、
冬は別の顔になる。
雪に埋まった遊歩道を歩くと、
足音だけが響く。
他に音がない。
風もない日だったから、
本当に何も聞こえない。
高架木道は冬季も一部開放されていることがある。
ただし積雪状況によって閉鎖される日もある。
事前に知床財団のサイトで確認したほうがいい。
湖面は完全に凍っている。
その上に雪が積もって、
湖と陸の境目がわからなくなっている。
ヒグマに出会う可能性は冬は低い。
でもキツネはいる。
道の真ん中に座って、こちらをじっと見ている。
3分くらい動かない。
ウトロの市街地から車で約10分。
駐車場は無料。
冬用タイヤは必須で、
レンタカーはスタッドレス確認を忘れずに。
流氷ウォーク|海の上を、歩いた
これが一番、頭がおかしくなりそうな体験だ。
流氷ウォークは、ドライスーツを着て
実際に流氷の上に乗るアクティビティ。
料金は5,500円前後で、所要時間は約2時間。
複数のガイドツアー会社がウトロに拠点を置いている。
ドライスーツを着ると体が浮く。
海に落ちても溺れない構造になっている。
ガイドさんから「わざと落ちてみてください」と言われた。
落ちた。
浮いた。
変な声が出た。
流氷の上に乗ると、想像よりずっと不安定だ。
きしむ音がする。
でも割れない。
その感覚に慣れた頃、
目の前にゴマフアザラシが顔を出した。
本当に出た。
1月末から3月が流氷シーズン。
年によって接岸量は変わる。
流氷がない年もある。
それでも来てよかったと思える場所だ。
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ウトロ温泉への行き方
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