北海道

クテクンベツ岳

自然絶景

北海道の山奥に、その山はある。 クテクンベツ岳。 名前を声に出すだけで、どこか遠い場所へ連れていかれるような気がした。 標高は高くない。 でも、冬のあの稜線に立ったとき、世界がぜんぶ白くなっている。 音がない。 風だけがあった。 ここに来るために、長い道を歩いた。それで十分だ。

Best Season 12月〜3月の積雪期がおすすめ。 特に1月〜2月は雪質が良く、晴れた日の稜線からの日高山脈の眺めは圧巻。 快晴率が高い週を狙って計画したい。

クテクンベツ岳のおすすめスポット

01

クテクンベツ岳 登山口|静寂は、ここから始まる

登山口に着いたのは朝7時前だ。

気温はマイナス12度。

車から降りた瞬間、空気が刺さるように冷たかった。

雪は深い。

トレースがあるかどうか、その日の運次第だ。

この日はない。

ラッセルしながら進む。

ひざまで埋まることもあった。

誰もいない森の中を、ただ歩く。

シラカバの木が白く並んでいた。

葉はない。

でも、枝の隙間から差し込む朝の光が、雪面をオレンジに染めている。

「なんでこんな場所に来たんだろう」と思う瞬間が、必ずある。

足が重くなったとき、息が上がったとき。

それでも足は前に出る。

なぜかはわからない。

登山口から稜線まで、約3時間かかった。

コースタイムより長い。

雪が多い冬はそういうものだ。

■ クテクンベツ岳 登山口 住所:北海道沙流郡日高町(詳細はルート確認要) 料金:無料 駐車スペース:数台分あり ※冬季は4WD・スタッドレス必須。林道が閉鎖される場合あり。事前に現地情報を確認すること。
地図で見る →
02

クテクンベツ岳 稜線|白い世界に、ひとりで立った

稜線に出た瞬間、風が強くなった。

ゴーグルが曇る。

手袋の中の指先が、じわじわと冷えてくる。

でも、目の前の景色に息が止まった。

日高山脈が、ずらりと並んでいた。

左にカムイエクウチカウシ山。

右に幌尻岳。

空は青すぎるくらい青かった。

雲は一つもない。

ここまで4時間歩いた。

その全部が報われる景色だ。

稜線は風が強い。

立っているのがやっとの瞬間もある。

それでも動けない。

もったいなくて。

写真を撮った。

でも、あの白と青の比率は、画面には入らない。

肉眼でしか、あの広さは受け取れない。

山頂には標識がある。

小さくて、雪に半分埋まっている。

それがかえってよかった。

ひっそりしていて、正直な山だ。

■ クテクンベツ岳 山頂 標高:約1,459m 登山口からのコースタイム:夏季 約2〜2.5時間 / 冬季 約3〜5時間(雪量による) 山頂気温:冬季マイナス15〜20度以下になることあり ※単独入山は危険。ビーコン・スコップ・プローブは必携。
地図で見る →
03

下山後の日高町|体が冷えたら、これしかない

下山したのは15時を過ぎている。

足はガクガクで、手袋を外す力もない。

日高町の市街地まで車で約30分。

そこに小さな温泉施設がある。

地元の人しかいない。

観光客向けの演出は何もない。

それがいい。

湯船に入った瞬間、指先がじんじんと痛くなった。

凍りかけた体が、ゆっくり戻ってくる感覚。

この痛みが好きだ。

生きてる感じがする。

風呂上がりに食べた豚丼が、異常においしかった。

味が特別なわけじゃない。

山の後だから、全部おいしいんだ。

日高のコンビニで買った肉まんも、なぜか感動した。

冬山は消耗する。

でも、あの稜線の白を見たら、また来たい。

そういう山だ。

■ 道の駅 樹海ロード日高 周辺エリア 住所:北海道沙流郡日高町日高(周辺施設) 温泉施設:日高温泉 優駿の里アエル 入浴料 大人600円〜 営業時間:10:00〜21:00(施設により異なる) 定休日:火曜(要確認)
地図で見る →

モデルコース

Day Trip 6:30 登山口発 → 10:30 山頂着・昼食 → 14:00 下山 → 15:30 日高温泉で体を温める → 17:00 解散
1 Night 1日目:札幌発 → 日高町泊(前泊で体を休める)/ 2日目:6:30 登山口発 → 山頂 → 下山 → 日高温泉 → 豚丼で締める → 帰路。前泊することで翌朝の体力を温存できる。
Travel Tips 冬のクテクンベツ岳はルートが不明瞭になりやすい。 GPSデバイスは必ず持つこと。 ビーコン・スコップ・プローブの3点セットは外せない。 単独行は避けて。 天候が崩れると視界ゼロになる。 撤退の判断は早めが正解だ。

クテクンベツ岳への行き方

ICカード利用可
Access Time
東京から 約10時間54分
水戸から 約11時間39分
前橋から 約11時間54分
高崎から 約11時間54分
甲府から 約12時間24分
備考 バス

札幌の宿を探す

クテクンベツ岳へは札幌から日帰りがおすすめ

近隣の温泉地や市街地に宿が集まる。


Travel Planning

旅先を1分で決めてみる?

どこ行こ?で旅先を探す →