北海道

コイカクシュサツナイ岳

自然絶景

名前からしてただごとじゃない。 コイカクシュサツナイ岳。 アイヌ語由来のその響きは、どこか警告めいている。 標高1,721m。日高山脈の奥深く。 冬に踏み込む人間は、ほとんどいない。 だからこそ行きたかった。 誰の足跡もない雪の稜線が、そこにあると知っていたから。

Best Season 夏は7〜8月。残雪が消えてお花畑が広がる。 冬は1〜3月。完全に別の山になる。どちらも本気の装備が必要。中途半端な季節に行く山じゃない。

コイカクシュサツナイ岳のおすすめスポット

01

コイカクシュサツナイ岳登山口|ここから先、文明との縁が切れる

林道ゲートから登山口まで、冬は約7km歩く。

スノーシューを履いて、黙々と進む。

誰とも会わない。

音がない。

自分の呼吸だけが聞こえる。

登山口に着くまでに、すでに2時間近くかかった。

気温はマイナス15度。

手袋を外すと、5分で感覚がなくなる。

「これが本当のスタートか」と思った瞬間、少し笑えた。

沢沿いのルートは雪に埋まって、どこが道かわからない。

GPSと勘と、踏み固まった雪の硬さで判断する。

それが怖くもあり、妙に楽しくもあった。

日高の山は、甘えを許さない。

でもその厳しさが、ここに来る理由でもある。

■ コイカクシュサツナイ岳登山口 住所:北海道日高郡新ひだか町 アクセス:静内市街から車で約1時間30分、その後林道ゲートから徒歩 入山料:無料 ※冬季は林道ゲート閉鎖。スノーシュー・アイゼン必携 ※単独入山は非推奨。入山届を必ず提出
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02

コイカクシュサツナイ岳稜線|風が人を選ぶ場所

稜線に出た途端、世界が変わった。

遮るものが何もない。

風速20m近い風が、横から来る。

立っているのがやっとで、一歩踏み出すたびに体が流される。

でも振り返ると、日高の山並みが白く連なっている。

カムエク、ペテガリ、ソエマツ。

名前を知っているピークが、全部見える。

「ああ、ここはそういう場所か」。

山頂標識は雪に半分埋まっている。

気温はマイナス22度。

シャッターを押す指が動かない。

それでも10分、稜線に立ち続けた。

もったいなくて、降りたくない。

冬の日高を知りたいなら、この稜線に立つしかない。

写真では絶対に伝わらない、あの重力がある。

■ コイカクシュサツナイ岳山頂 標高:1,721m 山頂までのコースタイム:夏季約8時間、冬季は行動時間12時間以上を想定 ※冬季日帰りは上級者のみ。テント泊前提で計画を ※天候急変が多い。撤退の判断は早めに
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03

下山後の静内温泉|体が溶けるとはこのことだと知った

下山してゲートに戻ったのは、午後4時を過ぎている。

行動時間11時間。

体の芯まで冷えている。

指も、つま先も、思考も。

静内温泉まで車で40分。

その間、ヒーターを全開にしても震えが止まらない。

温泉に入った瞬間、声が出た。

痛みと温かさが同時に来る、あの感覚。

料金は600円。

シンプルな湯船と、窓の外の雪景色だけ。

それで十分だ。

隣に地元のおじさんが入ってきて、「どこ行ってきたの」と聞かれた。

「コイカク」と答えたら、「あそこ冬に行くの」と一言。

それだけ言って、黙って湯に浸かっている。

その沈黙が、なんか好きだ。

■ 静内温泉(しずないおんせん) 住所:北海道日高郡新ひだか町静内御幸町3丁目 入浴料:大人600円 営業時間:10:00〜21:00(定休日要確認) アクセス:JR静内駅から車で約5分 ※登山後の疲労回復に最適。タオルは持参推奨
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モデルコース

Day Trip 午前2時出発→林道ゲート着4時→登山口着6時→山頂12時→下山16時→静内温泉で回復→帰路。冬の日帰りは体力・技術・運の全部が必要。
1 Night 1日目:静内泊・装備最終確認→2日目:深夜出発で登山→下山後に静内温泉。前泊することで体力を温存できる。静内市街のビジネスホテル素泊まり約5,000円〜。テント泊縦走なら2日目に稜線でビバーク、翌朝の御来光を狙う選択肢もある。
Travel Tips 冬のコイカクは、情報が少ない。 ヤマレコやSNSで直近の入山記録を必ず確認する。 スノーシュー・アイゼン・ビーコン・ツェルトは最低限。 林道ゲートの開閉状況は新ひだか町役場に問い合わせを。 単独は本当にやめた方がいい。

コイカクシュサツナイ岳への行き方

ICカード利用可
Access Time
東京から 約9時間6分
水戸から 約9時間51分
前橋から 約10時間6分
高崎から 約10時間6分
甲府から 約10時間36分
備考 バス

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コイカクシュサツナイ岳へは札幌から日帰りがおすすめ

近隣の温泉地や市街地に宿が集まる。


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