名前からして、すでに只者じゃない。 サマッケヌプリ。 アイヌ語で「山の背後にある山」という意味だという。 標高1,061m。 冬になると、山全体が白く静まり返る。 その静けさの中に、誰かが仕掛けたみたいな絶景がある。 行く前から、なんとなく覚悟が必要な気がしている。
サマッケヌプリのおすすめスポット
サマッケヌプリ山頂|白い稜線の上で、言葉をなくした
朝7時、気温はマイナス12℃。
登山口に立った瞬間、息が白くなった。
雪はふかふかで、踏むたびにキュッと鳴る。
その音だけが聞こえる。
風もない。
ただ、白い世界が続く。
山頂まで約3時間。
きつい、というより、ひたすら静かだ。
たどり着いた先は、360度の白。
大雪山系が、ぐるりと広がっている。
スマホを出す気にもなれなくて、しばらくそのまま立っている。
ここに来た人だけが見られるやつだ。
冬山の、あの達成感と静寂は、言葉にしにくい。
でも確かに、体に残る。
樹氷の森|森の中が、別の星みたいだ
山頂だけじゃない。
登山道の途中、標高800m付近から樹氷が現れはじめた。
枝という枝が、白く固まっている。
まるで彫刻みたいに、全部止まっている。
太陽の角度によって、光の入り方が変わる。
午前10時ごろが一番きれいだ。
キラキラ、というより、ひっそり光る感じ。
写真を撮ったけど、全然違う。
あの空気の冷たさと、静寂と、光が一緒にないと、伝わらない。
30分ほどそこで立ち止まっている。
後ろからくる登山者も、着いた瞬間に黙った。
そういう場所だ。
南富良野の夜空|山を下りた後に、もう一回やられた
下山後、宿にチェックインしたのが17時。
外はもう真っ暗だ。
夕食を終えて外に出たら、星が出ている。
出ていた、というより、あふれている。
南富良野は街灯が少ない。
コンビニも遠い。
その分、夜が本気を出してくる。
気温はマイナス16℃。
5分で耳が痛くなった。
それでも、しばらく外に立っている。
山の日と、この星空で、旅として完成した気がした。
冬の北海道に来た意味を、ここで回収した。
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サマッケヌプリへの行き方
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