地図を見ると、そこには細い登山道の線だけがある。 標高1,625m。 北海道の日高山脈の奥地に、ひっそりと立つ山。 ソエマツ岳という名前を初めて聞いたとき、なぜか体が反応した。 冬の稜線に立ったとき、その理由がわかった気がした。
ソエマツ岳のおすすめスポット
ソエマツ岳アプローチ|林道を抜けた先に、別の世界がある
登山口まで、まず林道を歩く。
夏でも1時間以上かかる区間だ。
冬はそこにラッセルが加わる。
スノーシューを履いて、ひたすら雪を踏む。
膝まで沈むこともある。
標高差は登山口からおよそ900m。
コースタイムは往復で10〜12時間を見ておくべきだ。
日高の山は、甘く見ると返り討ちにあう。
それでも足が向くのは、途中から見える景色があるからだ。
ナメワッカ川沿いの雪原を抜けると、空が急に広くなる。
振り返ると、自分がどこまで来たかわかる。
誰もいない。
音もない。
ただ雪と空だけがある。
あの静けさは、日常のどこにもない。
冬の稜線|白と青だけの世界に、言葉を失った
稜線に出た瞬間、風が来た。
体感温度でマイナス20度を超えている。
それでも足が止まった。
日高の山々が、白い波のように並んでいた。
カムエク、コイカク、北戸蔦別。
知っている名前の山が、全部見える。
晴れた冬の日に、あの稜線に立てたのは運が良かった。
雪のついた木々が、風でさらさらと揺れている。
カメラを出す手が震えた。
寒さだけではない。
あの景色に、素直に圧倒されている。
滞在できたのは山頂で20分ほど。
長居できる場所ではない。
でもあの20分は、ずっと残っている。
下山後の静内|山の緊張を解く、一杯のラーメン
下山して車に戻ったのは、日が傾きかけた頃だ。
16時を過ぎている。
全身の力が抜けて、しばらく動けない。
静内の市街地まで車で1時間弱。
目に入ったラーメン屋に飛び込んだ。
醤油ラーメンが800円だ。
体の芯まで、熱が入っていった。
カウンターの窓から外を見ると、もう暗くなっている。
今日立っていた山は、あの闇の向こうにある。
そう思ったら、妙に静かな気持ちになった。
日高の山は、簡単に人を受け入れない。
でも一度その奥に入ると、もう一度行きたくなる。
そういう場所だ。
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ソエマツ岳への行き方
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