どこまでも白い。 それだけで、来た意味があった。 チトカニウシ山は、北海道・上士幌町にある標高1632mの山。 冬になると一面の雪原と樹氷が広がり、 「こんな景色が本当に存在するのか」と立ち止まった。 登山者も多くなく、静寂の中を歩く感覚が忘れられない。
チトカニウシ山のおすすめスポット
チトカニウシ山登山口|朝6時、誰もいない雪の入口に立つ
登山口に着いたのは朝6時過ぎ。
気温はマイナス12度だ。
駐車スペースには車が1台もない。
その静けさが、少し怖くて、少し嬉しかった。
登山口の標識は雪に半分埋まっている。
それでも踏み跡はうっすら残っていて、
先人の存在に少し安心する。
冬のチトカニウシは、夏とはまったく別の山になる。
樹林帯を抜けるまでの約1時間は、
足元の雪をひたすら踏みしめるだけ。
音がない。
風もない。
自分の息の音だけが聞こえる。
スノーシューは必須。
レンタルは上士幌町の観光案内所で2,000円前後。
事前に借りておくことを強くすすめる。
山頂直下の稜線|樹氷の回廊を、ひとりで歩いた
標高1,400mを超えたあたりから、景色が変わった。
木々が白い。
いや、白というより氷の彫刻だ。
エビの尻尾と呼ばれる霧氷が、
風に削られた形のまま固まっている。
その回廊を、ひとりで歩いた。
誰もいない。
足音だけがサクサクと鳴る。
山頂まであと30分、というところで太陽が出た。
樹氷が光を受けて輝き始めた瞬間、
思わず足が止まった。
こういう瞬間のために、冬山に来るんだ。
山頂手前の稜線は風が強い。
この日は風速8m、体感気温はマイナス20度近かった。
ネックウォーマーと目出し帽は絶対にいる。
ゴーグルも持っていって正解だ。
登山口から山頂まで、コースタイムは約3時間30分。
ぬかびら源泉郷|下山後の温泉が、全部を報酬にする
下山してすぐ、温泉に直行した。
登山口から車で約15分。
ぬかびら源泉郷には小さな温泉宿が並んでいる。
日帰り入浴は500〜700円が相場。
体の芯まで冷えた後に入る温泉は、
言葉で説明できない気持ちよさがある。
湯は茶褐色の塩化物泉。
肌にまとわりつくようなとろみがあった。
入った瞬間、「あ、生き返る」と声が出た。
宿の食堂で食べた豚丼が600円。
下山後の空腹に、これがありえないくらい旨かった。
温泉街は昭和の雰囲気が残っていて、
派手さは一切ない。
でもそれが、この山旅には合っている。
1泊するなら源泉郷の宿に泊まるべきだ。
翌朝の雪景色が、また違う顔を見せてくれる。
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チトカニウシ山への行き方
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