ニセコのすぐ隣に、静かすぎる山がある。 ニトヌプリ。 標高1,080m。有名ではない。 でも、冬にここへ来ると、誰もいない雪原の上に自分一人が立っている感覚になる。 アンヌプリの喧騒とは別世界。 その静けさに、また戻ってきたくなる。
ニトヌプリのおすすめスポット
ニトヌプリ山頂|誰もいない、雪と空だけの場所
登り始めたのは朝7時半。
気温はマイナス12度だ。
雪はふかふかで、一歩ごとに膝まで沈む。
それでも足を進める理由があった。
山頂まで約2時間。
ガイドなしで行く人は少ない。
スノーシューを履いて、樹林帯を抜ける。
木々に雪がびっしり積もっている。
エゾマツがモンスターみたいに白い。
山頂に出た瞬間、風が変わった。
遮るものが何もない。
ニセコアンヌプリ、羊蹄山、洞爺湖。
全部見える。
こんな景色、誰にも教えたくない。
下りは40分ほど。
パウダースノーの斜面を滑り降りる。
リフトもコースもない。
自分の足跡だけが残る山。
それがニトヌプリだ。
五色温泉|登山の後、硫黄の湯に飛び込む
山を下りて最初に向かうのは、ここ以外にない。
五色温泉旅館。
登山口から車で10分もかからない。
湯は白濁している。
硫黄の匂いが鼻を刺す。
露天風呂に入ると、目の前に雪山が広がる。
さっきまでいた山だ。
湯の温度は42度くらい。
冷え切った体に、少し熱すぎるくらいがちょうどいい。
日帰り入浴は800円。
混んでいない。
静かに浸かれる。
内湯と露天、両方入った。
出た後も体の芯が温かいままだ。
この温泉がなかったら、冬のニトヌプリは成り立たない。
そう思うくらい、セットで来る場所だ。
ニセコ昆布温泉エリア|山の後、夜は別の顔がある
ニトヌプリの麓には、昆布温泉の集落がある。
小さい。
店の数も少ない。
でも、それがいい。
夜、宿の食堂で食べた羊肉が忘れられない。
北海道産のラム。
臭みがなくて、柔らかかった。
地元の人が教えてくれた店で、メニューが手書きだ。
翌朝5時50分に外へ出た。
あたりは真っ暗で、雪がしんと積もっている。
空気が痛いくらい冷たかった。
マイナス15度。
少しして、山の稜線が白く光り始めた。
モルゲンロートと呼ぶほど赤くはない。
ただ静かに、山が明るくなっていく。
その時間のために来た、という気持ちになった。
ニトヌプリは、夜明け前から始まっている。
モデルコース
ニトヌプリへの行き方
HUB CITY
札幌(拠点都市)から行ける旅先を見る →