霧が出ている。 朝6時の開陽台からメルヘン交差点へ向かう道、視界が30mくらいしかない。 それでも走った。 北海道の道東には、こういう「何もない」が詰まった場所がある。 メルヘン交差点は、その象徴だ。
メルヘン交差点のおすすめスポット
メルヘン交差点|丘の上で、道が十字に交わる瞬間
標高は約540m。
中標津町の中心部から車で約15分走ると、突然視界が開ける。
丘の上に交差点がある。
それだけのことなのに、なぜか足が止まる。
信号もガードレールもない。
格子状の農道が、どこまでも続いていく。
まっすぐ、まっすぐ、地平線まで。
「メルヘン」という名前、最初は少し笑えた。
でも実際に立ってみると、その名前がしっくりくる。
どこかファンタジーの挿絵みたいな景色だから。
ここは駐車スペースが数台分しかない。
早朝に来たとき、先客が1組いただけだ。
7時前後が狙い目だ。
朝霧が晴れかけた瞬間、光が道の上にぶわっと広がった。
その10秒くらいのために、また来てもいい。
開陽台|地球が丸く見える、とはこういうことか
メルヘン交差点とセットで語られることが多い開陽台。
距離で言えば約10km、車で15分ほど。
展望台に上がると、360度の農村風景が広がる。
ここで初めて「地球が丸く見える」という表現の意味がわかった。
地平線がほんのわずかに弧を描いている。
そう見えるのか、そう思いたいのか、もうどちらでもよかった。
売店でソフトクリームを買った。
350円。
北海道らしいミルクの濃さで、寒いのに食べ切った。
夕方に来ると、農道に長い影が伸びる。
牧草ロールが点々と並んで、光を受けてオレンジに染まる。
その時間帯を狙って、もう一度足を運んだ。
後悔はない。
養老牛温泉|道東の奥地に、ひっそり湯がある
開陽台からさらに奥へ車で約10分。
養老牛温泉という集落がある。
旅館が数軒あるだけの、本当に小さな温泉地。
ここの湯は単純硫黄泉で、ほんのり硫黄の匂いがする。
ぬるっとした肌触りで、入った後にじわじわ温まる。
宿泊は1泊2食付きで1万5000円前後が相場。
夕食の席で宿の人に「この辺り、冬はどうなるんですか」と聞いた。
「マイナス20度になる日もある」と笑いながら教えてくれた。
笑い方が柔らかくて、道東の人らしかった。
翌朝、露天風呂から見上げた空が澄んでいた。
鳥の声しかしない。
メルヘン交差点の格子状の道を思い出した。
ここまで来てよかったと、静かに思った。
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メルヘン交差点への行き方
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