稜線に立つと、風が顔を叩く。 十勝岳連峰の中でも、ここは特別な場所だ。 標高1920m。 名前が長くて覚えにくいけれど、一度登ったら忘れられない山がある。 冬の上ホロカメットク山は、荒々しくて、静かで、どこか怖い。 それでもまた来たいと思ってしまう。
上ホロカメットク山のおすすめスポット
上ホロカメットク山|吹きさらしの稜線に、北海道の冬が凝縮されている
旭川から車で約1時間半。
凌雲閣(十勝岳温泉)の駐車場に着いたのは朝7時前だ。
気温はマイナス15度。
ドアを開けた瞬間、空気が刃のように肌に触れた。
登山口から稜線までは約3時間。
トレースがあればまだいい。
雪が降った翌日は、どこが道かわからなくなる。
GPSと地形図を交互に確認しながら歩いた。
稜線直下の急登がきつかった。
雪が締まっていて、アイゼンの爪がよく刺さる。
それでも足が重い。
山頂に出た瞬間、景色が一気に開けた。
富良野盆地、遠く大雪山系。
曇りがちだったのに、そこだけ光が差している。
言葉にならない、という感覚を久しぶりに味わった。
風は強い。
立っているのがやっとの日もある。
それでも、あの稜線の景色は本物だ。
凌雲閣|下山後の温泉が、こんなに染みるとは思わない
標高1280m。
日本で最も高所にある温泉宿のひとつが、この凌雲閣だ。
下山してすぐ、玄関を開ける。
冷えた体に、硫黄の香りが漂ってくる。
それだけで少し泣きそうになった。
日帰り入浴は900円(2024年時点)。
内湯と露天がある。
露天風呂からは十勝岳の斜面が見える。
雪が積もった斜面を眺めながら湯に浸かる。
贅沢の意味が変わった気がした。
泉質は硫黄泉。
肌がすべすべになる、とかそういう話より、
とにかく体の芯から温まる。
指先の感覚が戻ってくるのに10分くらいかかった。
宿泊もできる。
1泊2食付きで1万5千円前後から。
山の上でこの価格は、むしろ安い。
夜、誰もいない露天風呂で星を見た。
あれは反則だ。
白金青い池(冬)|凍った水面が、別の星の景色に見える
上ホロに登る前日、ここに立ち寄った。
白金青い池。
夏に来たことはあった。
冬に来るのは初めてだ。
池が凍っている。
雪に覆われ、枯れた白樺が突き出している。
青さはない。
モノトーンの世界。
でも、これはこれで別の美しさだ。
ライトアップは11月〜3月の夜間に実施されている。
日没から21時まで。
無料で見られる。
夜、照らされた池を見たとき、
夏とは全く別の場所に来たような感覚だ。
氷の青みがかった色と、白樺のシルエット。
スマホのカメラでは到底収まらない。
観光客は多い。
特に週末は駐車場が満車になる。
早朝か、平日の夜がいい。
人が少ない時間に、静かに見るべき場所だ。
翌朝、登山前にもう一度来た。
誰もいない。
そっちの方が断然よかった。
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上ホロカメットク山への行き方
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