函館から車で2時間。 道は細くなり、民家は消え、森だけになる。 そこに突然、白い塔が現れる。 石灰華ドーム。温泉が何百年もかけて積み上げた、自然の造形物だ。 ここは北海道でも、ちょっと異質な温泉地。 秘境という言葉が、珍しく嘘じゃない場所だ。
二股ラヂウム温泉のおすすめスポット
二股ラヂウム温泉|森の奥で、温泉が山をつくっている
駐車場に車を止めた瞬間、硫黄の匂いがきた。
でも、それより先に目に入ったのが白い塊だ。
石灰華ドーム、高さ約10メートル。
温泉の成分が長い年月をかけて固まったもので、今も少しずつ育っている。
触ってみると、表面はザラザラしていて、思っていたより硬かった。
温泉は2種類。
内湯と、川沿いの露天風呂がある。
露天に入ると、目の前に川と原生林が広がる。
11月に入ったとき、気温はすでにマイナスに近かった。
湯温は40〜42度くらいで、長く浸かっていられる。
体の奥から温まる感覚があった。
ラジウム泉というのは、放射性物質を微量含む温泉のこと。
体に影響が出るほどの量ではなく、むしろ療養湯として昔から知られている。
宿泊客の中には、週単位で滞在するリピーターもいると聞いた。
それだけの理由が、あの湯にはある。
冬の雪道ドライブ|たどり着くまでが、すでに旅だ
二股ラヂウム温泉へのアクセスは、ひと言で言うと「覚悟が必要」だ。
最寄りの長万部駅から車で約40分。
途中からナビが沈黙する区間がある。
道は1車線で、離合できるスペースもほぼない。
冬に行った日は、雪が30センチ以上積もっている。
スタッドレス必須。
4WDがあればなお安心だ。
路面が凍結していると、カーブで本当に怖い。
それでも進むと、急に視界が開けて川が見える。
そこが目印だ。
帰り道、陽が落ちた後に走ったら真っ暗だ。
ライトの届く範囲しか見えない。
すれ違う車は1台もない。
秘境という言葉の意味を、ドライブしながら実感した。
日が暮れる前に出発することを強くすすめる。
時間の余裕を持って、午後3時には温泉を出るのが安全だ。
長万部町の夜|かにめしと、静かな港町の夜
二股温泉の帰りは、長万部町で夕食にした。
長万部といえば、かにめしが有名だ。
駅弁として全国に知られているが、町中の食堂でも食べられる。
かなや本店に入ったら、カウンター席に常連らしき地元の人が2人いた。
かにめし定食、1400円。
ズワイガニがたっぷり入っていて、味付けはわりとシンプルだ。
甘すぎない。
それが逆にいい。
食後に少し町を歩いた。
海が近いので風が強かった。
人通りはほとんどない。
コンビニが1軒、あとは民家と漁業の施設が続く感じだ。
観光地っぽさがまったくない。
そこが良かった。
温泉で体を温めて、素朴な飯を食って、何もない夜道を歩く。
北海道の旅って、こういうのでいいんだ。
むしろこれが一番、記憶に残る。
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二股ラヂウム温泉への行き方
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