日本海に面した、小さな岬の先端。 そこに、星空と温泉がある。 初山別村の人口は約1,100人。 コンビニもない。 でも、夜になると空が割れるように満天の星が広がる。 その星を露天風呂から眺めるために、わざわざここまで来た。 来て、正解だ。
初山別温泉のおすすめスポット
初山別温泉 岬の湯|星空の下、ひとりで湯に浸かる夜
道の駅「ロマン街道しょさんべつ」に併設された日帰り温泉施設。
料金は大人500円。
安すぎて笑った。
露天風呂に入ると、目の前が日本海。
水平線がそのまま視界に広がる。
冬の海は鉛色で、荒れていて、でも不思議と怖くない。
夜19時を過ぎると、空がぐっと暗くなる。
街灯がほとんどないから、星の密度が都会とまるで違う。
冬の澄んだ空気の中、オリオン座がくっきりと立っている。
湯温は41℃前後。
ナトリウム塩化物泉で、肌がしっとりする。
のぼせる前に少し冷えて、また浸かって、を繰り返す。
その時間が、何とも言えない。
営業は21時まで。
閉館ギリギリまで粘るのが、ここでの正解だ。
しょさんべつ天文台|冬の夜、望遠鏡の前で声が出ない
温泉から歩いて5分ほど。
丘の上に白いドームがある。
ここは公共の天文台としては道内最大級。
口径115cmの反射望遠鏡が設置されている。
観覧料は大人300円。
夜間観望会は20時スタート。
事前に確認してから行くこと。
晴れていないと開かない。
冬の夜、スタッフの方が望遠鏡を木星に向けてくれた。
縞模様が、見える。
本物の縞模様が。
声が出なかった、というのが正直なところ。
外に出ると、空全体が星だ。
天の川は冬でも薄っすら見える。
ここまで来なければ、こんな空は見られない。
翌朝、道の駅の駐車場から同じ空を見たら、ただの青空だ。
夜だけ、この場所は別の星になる。
冬の初山別・村の朝|誰もいない海岸線を歩いた
朝7時。
宿泊施設「みさき台公園キャンプ場」のコテージを出た。
気温はマイナス8℃。
息が白い、どころではない。
海岸線を歩いた。
人がいない。
車も来ない。
波の音と、靴が雪を踏む音しかない。
日本海側の冬は曇りが多い。
でもその日の朝だけ、雲が切れた。
水平線の向こうから光が差して、雪が金色になった。
村に店はほとんどない。
朝食は宿で食べるか、持参するかのどちらか。
コンビニは隣の苫前町まで行かないとない。
でも、それがよかった。
ここには「何もない」が、ちゃんとある。
何もない時間を取り戻しに来る場所、という気がした。
帰り際、地元のおばあさんとすれ違った。
「どっから来たの」と聞かれた。
東京から、と答えたら、「遠いねえ」と笑われた。
その笑顔が、ずっと残っている。
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初山別温泉への行き方
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