標高930メートル。 そこに立つと、目の前に火山がある。 煙が上がっている。地面がうっすら硫黄の匂いをまとっている。 ここは北海道・富良野の奥、十勝岳の登山口「望岳台」。 観光地というより、もっと剥き出しの場所だ。 自然がまだ怒っているような、そんな緊張感がある。
十勝岳望岳台のおすすめスポット
十勝岳望岳台|火山の息遣いを、2メートル先で感じる
駐車場に車を停めた瞬間、風が変わった。
草木の匂いじゃない。
鉄と硫黄が混ざったような、地球の奥底の匂いだ。
望岳台は、十勝岳登山の起点になっている場所。
でも登山しなくても、ここだけで十分すごい。
展望台から見える十勝岳は標高2,077メートル。
白煙が常に山頂付近から上がっていて、「あ、本当に活火山なんだ」と実感した。
地面は黒っぽい火山灰の色をしている。
7月なのに、遠くの斜面にまだ雪渓が残っている。
展望台まで駐車場から歩いて5分もかからない。
それなのに、日常から完全に切り離された感覚になる。
ここに来るまで2時間ドライブしてきた疲れが、風景を見た瞬間にどこかへ行った。
入場料は無料。
ただし、火山活動の状況によっては立入規制がかかることもある。
来る前に気象庁の情報を確認しておくべき場所だ。
白銀荘|火山の麓で、温泉に沈む夜
望岳台から車で10分ほど下ったところに、白銀荘がある。
一見、山小屋のような素朴な外観だ。
でも中に入ると、広い内風呂と露天風呂が待っている。
泉質は硫黄泉。
お湯が白く濁っていて、入った瞬間に肌がぬるっとした。
においも強い。でもそれがいい。
登山客と地元のおじさんと観光客が、同じ湯船に浸かっている。
そういう混沌とした感じが、ここらしい。
日帰り入浴は600円。
朝10時から夜9時まで入れる。
宿泊も1泊素泊まりなら4,000円台から泊まれる。
望岳台で風に当たった後、ここのお湯に入ると、体の芯から緩んでいく感じがした。
「旅してるな」と思う瞬間のひとつだ。
夜は空が暗い。
本当に暗い。
駐車場から見上げると、星が多すぎて逆に圧倒された。
吹上温泉・保養センター白銀荘周辺|誰もいない道を、ただ歩く
望岳台から続く十勝岳温泉郷の周辺道路は、歩いているだけで面白い。
車を停めて、少し歩いてみた。
道の脇に、温泉が湧き出している場所がある。
触ると熱い。本当に熱い。
源泉がそのまま流れている。
7月でも気温は15度前後だ。
フリースを持ってきて正解だ。
周囲に観光客向けの施設はほとんどない。
コンビニも売店もない。
でも、それがここの良さだ。
「吹上露天の湯」は無料で入れる混浴の野天風呂として有名だったが、2024年時点では閉鎖されている。
それを目的に来る人は事前確認が必要だ。
代わりに、ただ歩いて、火山の景色を見る。
観光施設がない分、自分の目だけが頼りになる。
それが望岳台エリアの、正直な魅力だ。
人間が手を加えていない景色というのは、どこかで見覚えがない。
だからこそ、記憶に残る。
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