真冬の十勝平野は、笑えるくらい寒い。 気温マイナス15度。吐く息が白いどころか、まつ毛が凍る。 そんな場所に、なぜか来てしまった。 目当ては「モール泉」と呼ばれる、植物性の黒い温泉。 入った瞬間、寒さのことをすっかり忘れた。
十勝川温泉のおすすめスポット
十勝川温泉 モール温泉|黒くて、ぬるっとして、なぜか肌がすべすべになる
お湯の色が、最初は信じられない。
黒い。本当に黒いのだ。
十勝川温泉のお湯は「モール泉」という珍しい泉質で、太古の植物が溶け込んでいる。
世界的に見ても、ここまで濃いモール泉はほとんどないらしい。
実際に入ると、ぬるっとした感触がある。
pHは約8.5のアルカリ性。肌の角質を溶かす作用があるそうで、出た後の肌が明らかに違う。
湯温は41〜42度前後。
長めに浸かっても、のぼせにくい。
気づけば1時間以上、湯船にいた。
窓の外は雪景色。
お湯は黒。自分の手が見えないくらいに濁っている。
その不思議な体験だけで、ここまで来た価値があった。
白鳥まつり|マイナス15度の河原で、350羽の白鳥を見た
正直、なめている。
「白鳥が見られる」くらいの気持ちで行った。
河原に着いた瞬間、声が出た。
白鳥が、多すぎる。
十勝川温泉近くの十勝川では、毎年11月下旬〜3月頃にかけてコハクチョウが越冬する。
多い日で350羽以上が集まるという。
水面を埋め尽くす白い塊が、静かに揺れている。
飛び立つ瞬間は、何十羽もが一斉に羽ばたく。
バサバサという音が、冷たい空気を震わせた。
「白鳥まつり」は例年1〜2月頃に開催。
観光客より地元の人が多い印象だ。
温泉街から歩いて10〜15分。
カメラを持って、ぜひ朝イチで行ってほしい。
朝の光と白鳥の組み合わせは、本当に反則だ。
温泉街の夜散歩|-10度の静けさが、妙に心地よかった
チェックインしてひと風呂浴びてから、外に出た。
21時過ぎ。温泉街はしんとしている。
賑やかな歓楽街ではない。
コンビニも、チェーンの居酒屋もない。
あるのは、旅館の灯りと雪だけ。
それが、思いのほか良かった。
雪が積もった歩道を歩くと、ぎゅっぎゅっと音がする。
気温はたぶんマイナス10度前後。
5分で指先が痛くなった。
温泉街沿いに十勝川が流れていて、夜でも川面が光って見える。
満天とまではいかないけれど、星もいくつか出ている。
売店で買った「十勝ワイン」を部屋で飲んだ。
750mlのロゼが1,500円くらい。
温泉上がりのワインは、格別だ。
寒い夜にしか味わえない贅沢がある。
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十勝川温泉への行き方
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