標高は373メートル。 たいした高さじゃない。 でも、冬の岩保木山は別物だ。 釧路湿原が一面の白に変わる季節、山頂から見える景色に言葉を失った。 霧が流れ、丹頂鶴が鳴く。 ここには、北海道の冬の本気がある。
岩保木山のおすすめスポット
岩保木山|白い湿原を、一人で独り占めにした朝
登山口は塘路駅から車で10分ほど。
駐車スペースは小さい。
案内板も控えめだ。
知る人ぞ知る、という感じがリアルに伝わってくる。
冬の登山道は雪に覆われている。
トレースがほぼない。
スノーシューを持ってきて正解だ。
持っていない場合は軽アイゼンでも何とかなるが、膝まで沈む箇所もある。
歩き始めて約40分。
木々が途切れた瞬間、視界が一気に開けた。
釧路湿原が、白かった。
どこまでも続く白。
その中に蛇行する川が一本、光っている。
気温はマイナス12度。
風があると体感はさらに下がる。
でも、動けない。
この景色から目が離せない。
晴れていれば雌阿寒岳まで見える。
その日は薄曇りだったが、それはそれで幻想的だ。
山頂に人は誰もいない。
この絶景を、完全に独り占めにした。
塘路湖畔|凍った湖の上を、歩いた
岩保木山から下りたら、塘路湖に寄った。
冬の塘路湖は全面結氷する。
湖の上を歩けると聞いている。
恐る恐る踏み出した第一歩。
しっかり固かった。
氷の厚さは20〜30センチになることもあるという。
湖面からの眺めは、また山頂とは違う。
低い視点から見る葦原と空。
静かすぎて、自分の足音だけが聞こえる。
運がよければ、ワカサギ釣りをしている地元の人に出会う。
地元のおじさんが「持っていけ」と何匹か分けてくれた。
こういう出会いが旅の記憶になる。
塘路湖畔にはカヌーやネイチャーガイドのショップが数軒ある。
ガイド付きのスノーシューツアーは1人6,000円前後から。
冬の湿原を安全に歩くなら、ガイドに頼るのが賢い選択だ。
湿原の地形は複雑で、単独行動はリスクがある。
釧路湿原の夕暮れ|丹頂鶴が、赤い空を横切った
日没前、湿原展望台に移動した。
塘路から車で20分ほど。
細岡展望台が有名だが、夕方は岩保木側の湿原縁から見る景色も捨てがたい。
午後4時を過ぎると、空が赤くなり始める。
冬の日暮れは早い。
のんびりしていると終わる。
茜色に染まった湿原の上を、丹頂鶴のつがいが飛んでいった。
2羽が並んで飛ぶシルエット。
思わず息を止めた。
丹頂鶴は1月から2月が観察のピーク。
鶴居村の給餌場には毎朝100羽以上集まることもある。
ここ塘路周辺でも、運がよければ野生の個体に出会える。
夕景の時間は15分もない。
それだけに、濃い。
三脚を持ってくればよかったと後悔した。
次に来るときは必ず持ってくる。
そう決めた夕暮れだ。
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