崕山(きりぎしやま)という名前を初めて聞いたとき、読み方すら分からない。 北海道・道央にひっそり存在するこの山は、標高1,066m。 地味な数字だ。 でも、冬に訪れた人は口をそろえて言う。 「あんな景色、他では見たことない」と。 それが気になって、真冬の2月に向かった。
崕山のおすすめスポット
崕山|垂直に切れ落ちた崖の上で、息が止まった
崕山の名の通り、山頂付近には垂直に近い崖がある。
「崕」は崖を意味する漢字だ。
スタート地点は月形町側の登山口。
冬季はスノーシューかスキーで入るのが基本になる。
レンタルは近くの月形温泉で相談できる。
歩き始めて約3時間。
足が思ったより重い。
雪は膝下まで埋まることもある。
気温はマイナス10度を下回っている。
稜線に出た瞬間、風が全部変わった。
目の前に広がったのは、真っ白な石狩平野。
遠く、暑寒別岳の稜線も見える。
崖の縁に立つと、足元がすとんと落ちている。
高度感がすごい。
怖いのに、離れられない。
そういう場所だ。
人がほぼいない。
静寂というより、無音。
風の音だけが鳴っている。
樺戸の森|誰も踏んでいない雪の中を歩く感覚
登山道に入ると、すぐに別の世界になる。
除雪された道路なんてここにはない。
トレースがあればラッキー、くらいの感覚で進む。
針葉樹と広葉樹が混在する樺戸の森。
冬は葉が落ちて、木の骨格だけが残る。
その隙間から差し込む朝の光が、妙にきれいだ。
気温が低い日は、霧氷が枝につく。
白く凍った木々が、森全体を覆っている。
歩くたびに、ぱきぱきと音がした。
スノーシューの感触はちょっとクセになる。
雪を踏み抜かない安心感。
それでも急斜面では滑る。
3回は転んだ。
ガイドなしで入るのは正直おすすめしない。
ルートが分かりにくい上、天候が急変する。
地元の山岳会や経験者と一緒に入るのが正解だ。
月形温泉|体が芯から冷えた後に、ここがある
下山して最初に向かったのは月形温泉だ。
迷う余地もない。
足の感覚がなくなりかけていたから。
月形温泉ゆりかごは、日帰り入浴が600円。
内湯と露天があって、露天からは雪景色が見える。
お湯はナトリウム塩化物泉。
ぬるっとした感触で、体が温まるのが早い。
冷えた指先がじんじんしてきた。
それが気持ちいいのか痛いのか、最初は分からない。
浴室に他の客はほぼいない。
平日の午後3時。
地元のおじさんが一人いただけ。
食堂でそばを食べた。
700円。
これが思った以上においしかった。
冬の崕山は、温泉がセットじゃないと成立しない。
そう断言できる。
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崕山への行き方
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