北海道の山を歩いてきた。 いくつも登ってきたけれど、徹別岳はちょっと違った。 阿寒の奥、人が少ない。 静かすぎるくらい静かで、雪面に自分の足跡だけが続いていく。 その孤独感が、たまらなく好きだ。
徹別岳のおすすめスポット
徹別岳登山口|朝5時、誰もいない雪の入口に立つ
冬の徹別岳へのアプローチは、阿寒湖畔から車で約20分。
登山口に着いたのは朝5時半だ。
気温はマイナス18度。
車から出た瞬間、息が白く固まった。
駐車スペースには車が1台もない。
そりゃそうだ、真冬の平日の夜明け前だ。
ヘッドライトをつけて歩き始めた。
トレースはほぼない。
誰かが数日前に歩いた跡がうっすら残っているだけ。
ラッセルしながら進む感覚は、しんどいけれど気持ちいい。
自分でルートを切り開いている実感がある。
標高差は約600m。
コースタイムは夏なら3時間程度だが、
冬は5〜6時間は見ておいた方がいい。
スノーシューは必須。
アイゼンだけでは正直きつかった。
徹別岳山頂(標高1,038m)|雲が切れた5秒間のこと
山頂直下は斜度がきつくなる。
雪がクラストしていて、スノーシューが効きにくい。
4歩進んで2歩滑る、みたいな状態が続いた。
登り始めから4時間40分で山頂に着いた。
ガスがかかっている。
何も見えない。
それでも待った。
15分くらい、ただ立っている。
風が強くて、顔が痛かった。
そしたら、一瞬だけ雲が切れた。
ほんとうに5秒くらいの話だ。
阿寒湖が光っている。
雄阿寒岳のシルエットが浮かび上がった。
雌阿寒岳の噴煙が見えた気がした。
その5秒のために来た。
大げさでなく、本当にそう思った。
山ってそういうものだと、また教えてもらった。
阿寒湖畔の温泉|下山後、体の芯まで溶けていく
下山は3時間かかった。
膝がガクガクしている。
阿寒湖畔温泉まで戻って、日帰り入浴に飛び込んだ。
湯温は42度くらい。
凍えた指先がじんじんしてくる。
その痛みすら気持ちよかった。
阿寒湖畔エリアには日帰り入浴を受け付けている宿が複数ある。
料金は700〜1,000円程度。
おすすめは夕方17時以降の入浴。
窓から阿寒湖が見えて、湖面が夕日で染まっていく。
山で使い果たした体に、じわじわとエネルギーが戻ってくる感じがした。
食事は湖畔の食堂でザンギ定食を食べた。
800円だ。
これがまた、山のあとだからか異様においしかった。
量も多い。
北海道の定食はだいたい量が多い。
それがいい。
モデルコース
徹別岳への行き方
HUB CITY
札幌(拠点都市)から行ける旅先を見る →