函館から車で1時間半。 道はどんどん細くなって、民家も消えていく。 そのうち、火山の匂いがしてくる。 硫黄。 ああ、来た、と思う瞬間だ。 恵山丸山は、観光地ではない。 もっと荒削りで、もっと本物の山だ。 冬に来ると、それがよくわかる。
恵山丸山のおすすめスポット
恵山丸山登山口|硫黄の匂いと、静寂だけがある
駐車場に車を停めると、すぐ匂いがくる。
硫黄。火山ガス。
ここは活火山の裾野だ。
冬は駐車場まで除雪されていないこともある。
手前1kmほど歩いて入ることになった。
それが正直、良かった。
誰もいない。
足音だけが雪に吸い込まれていく。
登山口の標識は雪に半分埋まっている。
標高は618m。
数字だけ見ると低い。
でも油断したら危ない。
風が強い。体感気温はマイナス15度を超えている。
岩肌から湯気が立っている。
火山が生きている、というのはこういうことだ。
雪と蒸気と、硫黄の匂い。
この組み合わせは、ここでしか嗅げない。
山頂付近|津軽海峡が、ぜんぶ見える
山頂まで約1時間半。
コースタイムは夏の話だ。
冬は雪で踏み跡が消える。
2時間以上かかった。
でも山頂直下の尾根に出た瞬間、全部帳消しになった。
津軽海峡が、広がっている。
青森が見える。
下北半島のシルエットがはっきりわかった。
遮るものが何もない。
風が容赦なく吹いてくる。
立っているのがやっとだ。
でも動けない。
岩肌には雪がついていない場所がある。
地熱で溶けるのだ。
活火山の山頂に立っている、という実感がじわじわ来た。
恐山とはまた違う、もっと野性的な火山だ。
写真では絶対に伝わらない。
あの風と、あの匂いと、あの広さ。
体で覚えるしかない景色だ。
恵山岬灯台|下山後に、ただ海を見る
下山後、車で10分走ると恵山岬灯台がある。
ここが良かった。
灯台は白くて小さい。
観光客はゼロだ。
冬の津軽海峡は荒れている。
波が岩に叩きつけられている音が、ずっと続いている。
風速は体感で15m以上あった。
立っているのがしんどい。
でも誰もいない海を見ていたら、頭が空っぽになった。
こういう場所を求めていたんだ。
賑やかでも、便利でもない。
ただそこに、海と風と灯台がある。
夕暮れ近くに来ると、光の色が変わっていく。
オレンジから紫へ。
津軽海峡が暗くなっていく。
山に登って、灯台で海を見て。
恵山丸山の旅は、この締めが正解だ。
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恵山丸山への行き方
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