噴煙が、絶えず空へ上がっている。 有珠山はいまも生きている火山だ。 最後に噴火したのは2000年。 まだ20年ちょっとしか経っていない。 ロープウェイで稜線に立つと、その事実がリアルに刺さってくる。 冬の有珠山は、雪と火山ガスと凍てつく風が混ざり合う、どこか別の惑星みたいな場所だ。
有珠山のおすすめスポット
有珠山ロープウェイ|噴煙の真横に、立ってしまった
山麓駅から乗り込んで、約7分。
ゴンドラが高度を上げるにつれ、洞爺湖が小さくなっていく。
冬の朝一番、8時50分の便に乗った。
乗客は数人だけ。
ほぼ貸し切りだ。
山頂駅を降りた瞬間、冷気が顔を叩く。
気温はマイナス8度。
風が強くて、立っているだけで体が持っていかれそうだ。
でも、そこから見える景色が異常だ。
眼下に洞爺湖。
対岸に昭和新山。
そして目の前の火口からは、もくもくと白い噴煙が上がっている。
生きている、という感覚。
観光地とか絶景スポットとか、そういう言葉が似合わない場所だ。
展望台の柵に手をかけながら、これは自然に対する畏怖だと気づいた。
冬に来てよかった。
人が少ない分、その迫力がまっすぐに届いてくる。
洞爺湖展望台|湖が、凍りかけている
有珠山の山頂エリアには、いくつかの展望ポイントがある。
ロープウェイ山頂駅から徒歩5分ほどの展望台に足を向けた。
眼下に広がる洞爺湖は、冬になると湖岸が薄く凍る。
全面結氷はしない湖だが、端のほうは白く霞んでいた。
湖の中央に浮かぶ中島も、雪を被って静かに沈んでいる。
夏に来たことがある人が隣で言っている。
「全然違う景色だ」と。
確かにそうだ。
緑と青の夏の洞爺湖もきれいだろうが、白と灰色に沈んだ冬の洞爺湖には、静けさの重さがある。
風が少し弱まった瞬間、湖面が光って見える。
その一瞬のために、ここに来た気がした。
防寒は完全に整えてから登ること。
カイロは多めに持っていくべきだ。
昭和新山|1944年に、地面から生まれた山
有珠山から降りてきたら、すぐ隣の昭和新山へ。
車で5分もかからない。
昭和新山は、1943〜1945年にかけて噴火活動で突然隆起した溶岩ドームだ。
もとは平らな麦畑だったらしい。
そこに398メートルの山ができる。
話として聞いても、現実感がない。
冬の昭和新山は、山肌の茶色と赤が雪の白に際立って、奇妙なコントラストを作っている。
ところどころから湯気のような熱気が出ている。
触れれば熱い。
まだ冷えていない。
麓の駐車場から眺めるだけでも十分に異様だ。
「観光地感」がまったくない。
ここは地球の皮膚の薄い場所なんだ、という気持ちになる。
近くの熊牧場は冬季休業中だったが、昭和新山の景観だけで時間を忘れた。
有珠山とセットで、絶対に寄るべき場所だ。
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有珠山への行き方
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