北海道の最南端、津軽海峡を望む崖の上に、その城はある。 本州から船でたどり着く人もいれば、車で岬をぐるりと回ってくる人もいる。 どちらのルートも、松前城に近づくほど、なぜか胸が高鳴った。 桜の名所として知られているけど、それだけじゃない。 海と山と城が一枚の絵に収まる場所は、そうそうない。
松前城のおすすめスポット
松前城|海を背に立つ、北の果ての天守閣
駐車場から城へ向かう石畳を歩いた。
思ったより急な坂だ。
振り返ると、津軽海峡がどこまでも広がっている。
天守閣の入館料は360円。
安い、と思う前に、その中身に驚かされた。
北海道唯一の日本式城郭というだけあって、展示の密度が濃い。
松前藩の歴史、アイヌとの関係、幕末の攻防戦。
教科書で読んだことが、急にリアルになった。
最上階から見た景色が忘れられない。
海側と山側で、まったく違う顔を見せる。
晴れた日は津軽半島まで見えるらしい。
その日は薄曇りだったけど、それでも十分すぎた。
天守閣は昭和26年に再建されたもの。
本物の石垣は江戸時代から残っている。
その石に手を触れたとき、ここが本物の城跡だと実感した。
松前公園|280種、1万本の桜が城を包む
4月下旬から5月上旬、ここは別の場所になる。
日本の桜の名所100選にも選ばれている。
来てみてわかったのは、桜の種類の多さだ。
280種類、約1万本。
全部が同じ時期に咲かないから、見頃が長い。
ソメイヨシノが終わっても、八重桜が続く。
ゴールデンウィークでも十分間に合う。
城と桜のコントラストが、とにかく強烈だ。
どこにカメラを向けても絵になる。
観光地的な派手さじゃなくて、もっと静かな美しさ。
朝7時頃に訪れると人が少ない。
光の角度も柔らかくて、写真を撮るには最高だ。
夜は桜がライトアップされる。
昼と夜で、まったく違う公園になった。
桜の季節以外も、緑が深くて気持ちいい。
夏に来たときは、木陰のベンチで1時間ぼんやりしてしまった。
松前藩屋敷|江戸時代の町並みが、ここに再現されている
松前城から歩いて10分ほど。
突然、江戸時代の通りが現れた。
松前藩屋敷は、江戸時代の松前の町並みを再現した施設。
入館料は360円。
城とセットで買うと割引になる。
お目付役屋敷、廻船問屋、鰊番屋……。
建物の中に入れるのがいい。
畳の感触、暗い土間の空気、囲炉裏の跡。
説明書きを読む前に、体で感じるものがあった。
係の人が声をかけてきて、昔の松前の商人の話をしてくれた。
北前船で富を築いた豪商がいたこと。
江戸とは違う、独自の文化が根付いていたこと。
15分ほどの立ち話が、一番記憶に残る。
施設自体はこぢんまりしている。
でも、丁寧に作られている。
人が少ない平日の午前中に行くと、ゆっくり見られる。
時間は1時間あれば十分。
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松前城への行き方
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