草の上に、土塁だけが残っている。 説明板がなければ、ただの丘だと思って通り過ぎるだ。 でも、ここはアイヌの人々が命がけで守った砦の跡だ。 根室半島の先端近く、風が強くて、海が見えて、誰もいない。 そういう場所に、歴史がひっそりと立っている。
根室半島チャシ跡群のおすすめスポット
根室半島チャシ跡群|風の中に立つと、なぜか身が引き締まる
チャシとはアイヌ語で「柵で囲まれた場所」を意味する。
根室半島には24か所のチャシ跡が確認されている。
その密度は日本全国でも類を見ない。
実際に歩くと、驚くほど海が近い。
断崖の縁に土塁が続いていて、足がすくむ場所もあった。
17〜18世紀に築かれたとされるが、発掘調査では儀式の痕跡も見つかっている。
軍事拠点だけじゃなかったらしい。
ノッカマップ岬のチャシ跡に立ったとき、国後島がはっきり見える。
風が強くて、帽子を押さえながら、しばらく動けない。
ここから海を眺めながら、アイヌの人々は何を考えていたのだろう。
入場は無料。
いつでも入れるが、草が深くなる夏は足元に注意が必要だ。
長靴か、底の厚い靴で来るのが正解だ。
ノッカマップ岬チャシ跡|断崖の縁、ここが一番、息を呑んだ
根室半島のチャシ跡の中でも、ここは別格だ。
駐車場から歩いて5分ほど。
でも、その5分で景色が全然変わる。
岬の先端に近づくにつれて、左右が崖になってくる。
足元の草が揺れて、遠くに国後島が浮かんでいる。
この視界の開け方は、写真では伝えられない種類のものだ。
土塁は思ったより低かった。
1〜1.5メートルくらいの盛り土が弧を描いている。
シンプルなのに、場所の力でものすごく存在感がある。
平日の午前中に行ったら、誰もいない。
30分ほど、ひとりでそこにいた。
風の音と、波の音だけだ。
ここだけで来た甲斐があると思える場所だ。
霧の日は足元が滑るので晴れた日を選んで正解だ。
根室市歴史と自然の資料館|チャシへ行く前に、必ずここへ寄る
チャシ跡は現地に行けばわかる、。
正直、資料館はおまけのつもりで入った。
それが完全に間違いだ。
アイヌ文化の出土品が丁寧に展示されている。
チャシの模型もあって、土塁の構造がようやく頭に入った。
これを見てから行くのと見ないで行くのでは、体験の深さが全然違う。
入館料は大人200円。
安すぎるくらいだ。
スタッフの方に「どのチャシが一番見やすいですか」と聞いたら、丁寧に教えてくれた。
ノッカマップを勧めてくれたのも、ここのスタッフだ。
売店に根室のガイドブックや地図も置いてある。
公式の観光マップより、手書きっぽい地元のチラシの方が役に立った。
開館は9時から17時まで。
月曜休館なので注意が必要だ。
モデルコース
根室半島チャシ跡群への行き方
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