函館から車で1時間ちょっと。 山の中に突然、湯けむりが見えてくる。 流山温泉は、派手さがない。 でも、着いた瞬間にわかる。 ここは本物だ、と。 冬に来ると特にいい。 雪に包まれた原野の中で、熱い湯に浸かる。 そのコントラストが、ここの全てだ。
流山温泉のおすすめスポット
流山温泉駅|列車が来る、それだけで絵になる
JR江差線の終着駅、流山温泉駅。
無人駅だ。
ホームに降り立つと、まず静けさが来る。
風の音だけが聞こえる。
駅舎は小さな木造。
待合室には薪ストーブが一台。
冬はそこに火が入っていて、
旅人を黙って温めてくれる。
列車は1日数本しか来ない。
時刻表を見て、思わず笑った。
こんなに少ないのか、と。
でも不思議と焦らない。
ここに来ると、時間の感覚が変わる。
次の列車まで2時間あるなら、
2時間かけてゆっくりすればいい。
そう思えてくる。
ホームから見える山並みは、冬は真っ白だ。
雪煙が風に流れて、ずっと眺めている。
乗客は自分ひとりだけ。
それでよかった。
流山温泉|雪の中に、白い湯煙だけが立つ
駅から歩いて5分。
温泉の建物が見えてくる。
日帰り入浴は600円。
受付のおばさんが一言、「ゆっくりしてね」と言った。
それだけで、来た甲斐がある。
湯はナトリウム塩化物泉。
無色透明で、じわじわと体の芯まで染みてくる。
熱めの設定で、42度くらいはあった気がする。
露天風呂が特別だ。
目の前に広がるのは、雪原と木立だけ。
遮るものが何もない。
湯の中から空を見上げると、
灰色の冬空に、白い湯煙が混じっていった。
30分は出られない。
というより、出たくない。
内湯は古くて広い。
地元のじいさんたちが何人かいて、
誰も喋らず、ただ湯に浸かっている。
その空気が、ちょうどよかった。
休憩室には畳があって、
昼寝している人もいた。
正解だ。
知内の里・冬の散歩|何もないが、それが全部だ
温泉の周辺をぶらぶら歩いた。
30分もあれば全部まわれる。
そのくらい、小さな集落だ。
雪道に足跡をつけながら歩く。
自分の足跡だけが続いている。
誰も来ない。
川沿いに出ると、
流れる水が黒々と見える。
両岸が雪で真っ白だから、余計に黒く見える。
カモが数羽、川の中にいた。
寒くないのか、とつぶやいた。
知内は松前藩の歴史とも縁が深い土地だ。
近くに知内川があって、
昔はサケが大量に遡上した場所だという。
地元の人に聞いた話で、
今は数が減ったが、秋にはまだ来る、と言っている。
冬の散歩に目的地はいらない。
雪を踏む感触と、
静かな空気と、
湯上がりの体がほんのり暖かいこと。
それだけで十分だ。
1時間歩いて、また温泉に戻った。
2回目も入った。
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