稜線の向こうに、石狩湾が光っている。 標高1,258m。北海道の日本海側に静かに立つ山。 観光客はほぼいない。 リフトもロープウェイもない。 自分の足だけで登る、それだけの山。 でも、その頂上に立った瞬間に全部わかった。 ここに来るべき理由が。
浜益岳のおすすめスポット
浜益岳登山口|静寂から始まる、3時間の孤独
早朝4時半、車で登山口に着いた。
駐車スペースには2台だけ。
ほぼ誰もいない。
登山口の標高はおよそ700m。
そこから頂上まで約3時間のコース。
距離にして片道6〜7km。
最初の1時間は樹林帯が続く。
風もない。
音もない。
自分の呼吸と雪を踏む音だけ。
冬場はトレースが消えていることもある。
GPSを持ってこないと、本気で迷う。
そういう山だ。
樹林帯を抜けると、急に視界が開ける。
そこから先は別世界だ。
白い斜面が続いて、稜線がはっきり見えてくる。
足は重いのに、止まれない。
あの感覚は言葉にならない。
浜益岳山頂|標高1,258m、海が見える頂上
山頂に着いたのは出発から2時間50分後。
気温はマイナス8度。
風が強くて、立っているのがやっとだ。
でも、そこに広がっていたのは—。
石狩湾。
日本海。
水平線。
海が見える山頂、って聞いてはいた。
実際に目で見るまで、信じていない。
晴れた日は増毛の山々まで見渡せる。
反対側には暑寒別岳の稜線。
360度、遮るものが何もない。
持ってきたカップ麺のお湯が、すぐに冷めた。
それでもおいしかった。
なぜか笑けてきた。
30分ほど頂上にいた。
体は限界だったけど、動きたくない。
そういう頂上がある。
浜益温泉|下山後の600円は、格別だ
山から下りて、体の感覚が戻ってくるのに30分かかった。
指先が痛い。
膝も笑っている。
そのまま向かったのが浜益温泉。
登山口から車で約15分。
入浴料は600円。
地元のお年寄りが数人いた。
観光地っぽさはゼロ。
湯は塩化物泉。
ぬるっとした感触で、冷えた体に染みてくる。
山に行った日の温泉は、なぜか2倍効く。
脱衣所で地元のおじさんに話しかけられた。
「今日、浜益岳か?風強かっただろ」
なんで知ってるの、という感じだ。
小さな地域に、こういう文化がある。
山があって、温泉があって、人がいる。
浜益ってそういう場所だ。
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浜益岳への行き方
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