北海道の内陸深く、北見市から車で30分ほど走ると、急に湯けむりが見えてくる。 温根湯温泉。 観光地らしい派手さは何もない。 でも、冬にここへ来ると、なぜかほっとする。 凍てつく外気と、じんわり熱いお湯の落差が、体の芯まで染みてくる場所だ。
温根湯温泉のおすすめスポット
大江本家|100年以上の湯に、ひとりで浸かる朝
チェックインのとき、女将さんに「朝6時からお風呂入れますよ」と言われた。
翌朝、誰もいない浴室に行ってみた。
外は−15度。
窓の向こうは雪景色。
お湯の温度は44度くらい。
熱い。でも出られない。
ここの源泉は塩化物泉で、なめるとしょっぱい。
肌につけると膜が張ったような感触がある。
保温力が強いらしく、上がってから1時間以上ぽかぽかしている。
部屋数は全15室ほど。
廊下の木の床が古くてきしむ。
それが気になるどころか、妙に落ち着く。
夕食は川魚と山菜が中心。
地のものばかりで、量も多すぎない。
ちょうどいい。
素泊まり8,000円〜。
1泊2食なら14,000円前後から。
予約は早めがいい。
冬の週末はわりと埋まる。
熊の湯|入浴料400円、地元の人と肩を並べる
温根湯温泉には共同浴場がある。
その名も「熊の湯」。
入浴料は400円。
シャンプーもドライヤーも自前。
そういう場所。
脱衣所は狭い。
ロッカーもない。
棚に服を置いて、そのまま入る。
お湯は熱くて、最初は入れないか。
隣にいたおじさんが「最初だけだよ、すぐ慣れる」と笑った。
本当に慣れた。
湯上がりにベンチで休んでいたら、地元のおじいさんが話しかけてきた。
「昔はもっとにぎやかだったんだけどね」と言っている。
温泉街の変化を、長く見てきた人の言葉だ。
観光客も地元の人も、同じ湯に入っている。
その当たり前の感じが、なんかよかった。
冬の夕方5時ごろが好きだ。
外が暗くなって、湯けむりが白く浮かんで見える。
そういう時間帯に来てほしい。
温根湯の雪道散歩|しんとした15分が、忘れられない
宿から温根湯ダムまで、歩いて15分ほど。
誰も歩いていない。
車がたまに通るだけ。
雪を踏む音がうるさいくらいに聞こえる。
それ以外、何も聞こえない。
気温は昼間でも−8度だ。
息が白い。
カメラのバッテリーが10分で半分になった。
ダムは凍っている。
表面が青白くて、どこまで続いているのかわからない。
特に何があるわけじゃない。
でも、ここに来て、ここに立って、よかった。
帰り道、小さな食料品店があった。
地元の人向けのお菓子や惣菜が並んでいた。
ホタテの炊き込みご飯のおにぎりを買った。
150円だ。
こういう店に入るのが、旅の醍醐味だと毎回思う。
温根湯温泉は、温泉以外でも、静かな発見がある場所だ。
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温根湯温泉への行き方
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