標高1,247m。 知西別岳は、地図の上では小さな点だ。 でも、山頂に立った瞬間、その「小ささ」が嘘に変わる。 冬の根釧原野が、どこまでも広がっている。 音がない。風だけがある。 この静けさのために、ここまで来た。 そう思える山が、北海道にはある。
知西別岳のおすすめスポット
知西別岳|雪の斜面を登った先に、果てしない原野が広がっている
登山口は養老牛温泉の近く。
冬季は除雪されていないので、スノーシューが必須だ。
駐車できるスペースは数台分しかない。
標高差は約600m。
コースタイムは登り約3時間。
急登はそれほどないが、雪の重さが足にくる。
樹林帯を抜けると、視界が一気に開く。
そこからが本番だ。
根釧原野が、白く、静かに、横たわっている。
遠くに国後島のシルエットが見える。
天気が良ければ、知床の山々も見える。
「絶景」という言葉が軽く感じた。
それくらいスケールが違う。
山頂は風が強い。
マイナス15度以下になることもある。
レイヤリングはしっかりと。
コーヒーを山頂で飲んだ。
その一杯が、今でも忘れられない。
養老牛温泉|登山後の体を、深い湯が芯から温める
下山後、体はボロボロだ。
足がガクガクしている。
養老牛温泉まで車で約15分。
日帰り入浴は700円。
受付は15時までなので注意が必要だ。
源泉かけ流し。
湯温は42度前後。
少しぬめりのあるナトリウム塩化物泉だ。
露天風呂から川が見える。
冬は雪に覆われた木々が、湯気の向こうに見える。
湯に浸かった瞬間、声が出た。
思わず「あー」と言ってしまった。
贅沢とはこういうことだ。
激しい登山の後に、誰もいない露天風呂。
北海道の冬にしかない体験だ。
宿泊すると、夜の静寂も味わえる。
川のせせらぎと、雪の重さ。
その組み合わせが、妙に心地よかった。
開陽台|翌朝、北海道の「地球の丸さ」を確かめに行く
知西別岳からの帰り道に、寄り道してほしい場所がある。
開陽台だ。
標高約270m。
展望台から見える360度の地平線が、ここの売りだ。
冬の早朝、誰もいない展望台に立った。
マイナス10度。
息が白い。
根釧原野が、本当に丸く見える。
「地球は丸い」と頭で知っている。
でも、ここで初めて体で感じた気がした。
夏は観光客も多いが、冬は来る人が少ない。
雪に覆われた道を走って、展望台に着く。
独占状態の地平線。
贅沢という言葉では追いつかない。
駐車場に戻る頃、朝日が上がり始めた。
オレンジ色の光が、雪原に広がっていく。
5分でいい、寒くても立っていてほしい。
あの光景は、ずっと残る。
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知西別岳への行き方
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