宗谷丘陵の奥、道路がどこまでも続いていると思った頃に現れる。 標高892メートル。 北海道の北端に近い山が、こんなに静かに存在していることに少し驚く。 冬は風が刃みたいに冷たい。 それでも来たくなるのは、あの稜線の向こうに広がる景色のせいだ。
知駒岳のおすすめスポット
知駒岳山頂|風が強い日に、地の果てを見た
駐車場から山頂まで、徒歩で約30分。
距離は短い。
でも冬は別の話だ。
気温はマイナス15度を下回ることがある。
風速が10メートルを超えると、立っているのがやっとになる。
それでも足を進めたのは、前日に宿のおじさんが「晴れた日の頂上は別格だから」と言ったからだ。
山頂に出た瞬間、声が出た。
オホーツク海が見える。
利尻島のシルエットが見える。
サロベツ原野が白く光っている。
360度、さえぎるものが何もない。
地平線がこんなに近く感じるのは、ここだけだ。
10分もいられない。
寒さが限界だ。
でも、その10分で十分だ。
知駒峠|雪原の中に、ぽつんと立つ
山頂に行く前に、まず知駒峠に立ち寄った。
標高は560メートルほど。
ここだけでも、すでに十分すごい景色がある。
国道40号線から外れて少し走ると、展望台への道がある。
夏は観光客もいる場所らしいが、冬は誰もいない。
車を降りた瞬間、風の音だけが聞こえる。
足元の雪は固く締まっている。
サロベツ方面が一望できる。
遠くに見える白い平原が、どこで終わるのか分からない。
「北海道ってこういうことか」。
スケールが違う。
感覚が追いつかない。
ここで15分くらい黙って立っている。
それが一番正直な反応だった気がする。
幌延町|山の後は、ここで温まる
下山後は体が芯から冷えている。
幌延町の中心部まで車で約20分。
立ち寄ったのは「しもかわや」という食堂だ。
ラーメン一杯、750円。
地元の人が黙って食べている。
それが良かった。
味噌ラーメンを頼んだ。
スープが濃くて、脂が浮いていて、体に染みた。
山の後の食事は何でもうまいが、これは特別だ。
幌延町自体、人口は4,000人ほどの小さな町だ。
コンビニは1軒ある。
でも静かで、妙に落ち着く。
夜は星が出た。
街灯が少ないから、空が本当に暗い。
オリオン座がくっきり見える。
宿の駐車場で30分、空を見上げたまま動けない。
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知駒岳への行き方
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