函館から車で1時間ちょっと。 到着した瞬間、目に飛び込んできたのは噴き上がる湯気だ。 道路脇からも、砂浜からも、温泉が自然に湧いている。 ここ鹿部は、温泉と海と火山が、ごく当たり前に共存している場所だ。 観光地っぽさが一切ない。 それがかえって、刺さった。
鹿部温泉のおすすめスポット
鹿部温泉|砂浜の下からも、湯が湧いている
鹿部に来て最初に驚いたのは、「間歇泉」の存在だ。
公園の中に、本物の間歇泉がある。
約10分おきに、湯が最大15メートルほど噴き上がる。
タイマーじゃない。
自然が、そのまま噴いている。
入場料は大人300円。
安すぎて逆に不安になるくらいだ。
噴き上がる瞬間、隣にいた見知らぬ家族が一斉に声を上げた。
それが妙に嬉しかった。
温泉街はひっそりしている。
派手な看板も、呼び込みもない。
旅館が数軒、静かに並んでいるだけだ。
そのぶん、浸かる湯に集中できる。
泉質はナトリウム塩化物泉。
ぬるっとした肌触りで、上がったあとも体がずっと温かい。
冬の訪問だったが、湯から出ても寒さをほとんど感じない。
そういう温泉だ。
海沿いの露天風呂|雪と海と、湯煙だけがある朝
泊まった宿の露天風呂は、海に向いている。
朝6時に入った。
誰もいない。
目の前は内浦湾。
対岸に羊蹄山が白く浮かんでいた。
気温はマイナス5度くらい。
湯は熱く、空気は鋭く冷たい。
その落差が、気持ちよかった。
湯煙が風に流れていく。
波の音だけが聞こえる。
30分、ほとんど何も考えない。
こういう時間のために、旅をしているんだ。
鹿部の温泉宿は、派手な施設を売りにしていない。
食事は地元の海産物が中心で、ホッケの開きが驚くほど大きかった。
ウニやイクラも出てきた。
ひとり1泊2食で1万2000円前後が相場だ。
安い。
というより、コスパという言葉が似合わない正直さがある。
冬の街歩き|人が少ないことが、ごほうびになる
鹿部の集落を歩いてみた。
冬の平日。
人とほとんどすれ違わない。
海岸沿いに歩くと、漁港がある。
漁船が並んでいて、カモメが騒いでいた。
それだけで、しばらく眺めてしまった。
砂浜に近づくと、湯気が上がっている場所があった。
足元の砂が、温かい。
温泉が砂浜の下から染み出しているらしい。
説明書きもなく、ただそこに湧いている。
鹿部は、説明しない。
あるものが、ある。
それだけの場所だ。
商店はほとんどない。
コンビニも近くにあるが、徒歩圏とは言えない。
買い物は到着前に済ませておいた方がいい。
でも、そのくらい何もない方が、温泉に集中できる。
街歩きというより、ぼんやり歩き。
それが、鹿部の正しい使い方だ。
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鹿部温泉への行き方
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