地図を見ても、名前しかない。 アクセス情報も、営業時間も、売店も何もない。 ただ「1967峰」という数字だけがそこにある。 北海道の奥深く、大雪山系の果てに立つこの山は、 来る者を選ぶ。 でも、たどり着いた先の景色は、一生忘れられないものだ。
1967峰のおすすめスポット
1967峰|名前すら記号。それでも人を引きつける北の頂
標高1967メートル。
その数字が、そのまま名前になっている。
正式な山名すらないのに、毎年夏から秋にかけて、
少数の登山者がここを目指す。
ルートは主にニペソツ山方面か、三股からのロング縦走。
どちらも片道6〜8時間以上はかかる。
日帰りは現実的じゃない。
テントを担いで、2泊3日が最低ライン。
頂上に近づくにつれて、木が消える。
ハイマツだけになって、やがてそれも消える。
風が強くなる。
足元が岩になる。
そして視界が、突然、開ける。
あの瞬間の衝撃は、言葉にするのが難しい。
360度、山しかない。
人工物が一切見えない。
雲の流れだけが時間を教えてくれた。
冬はアクセス不能。
山が完全に雪と氷に閉ざされる。
それでも雪をまとった1967峰の写真を見ると、
また行きたくなる。
三股ルート稜線|歩いた時間だけ、景色が変わる
三股登山口から入ると、最初の2時間はほぼ樹林帯。
展望なし。ひたすら登る。
「本当にここであってる?」と何度も思った。
標高1400メートルを超えたあたりから、
急に視界が広がり始める。
その瞬間を狙って歩き続けていたんだと気づく。
お花畑の時期は7月下旬から8月上旬。
高山植物が稜線を埋め尽くす。
チングルマ、エゾコザクラ、ミヤマリンドウ。
名前を覚えていなくても、見た瞬間に「きれい」と声が出る。
9月になると一変する。
草紅葉が始まる。
赤と橙と黄色が、風に揺れる。
高山の秋は短い。
1週間で景色が変わるほど。
稜線上はほぼ無風の日がない。
レインウェアは夏でも必須。
風速15メートルを超えることもある。
その風に押されながら歩くのも、悪くない。
幌加温泉|山から下りた体に、硫黄の湯が染みる
三股の登山口から車で30分ほど戻ると、幌加温泉がある。
「鹿の谷」という宿が一軒だけある、秘湯中の秘湯。
脱衣所は最低限。
浴槽は4つ。
ナトリウム泉、カルシウム泉、炭酸泉、硫黄泉と、
それぞれ泉質が違う。
こんな山奥に、こんな本物の湯がある。
日帰り入浴は500円。
営業時間は10時〜18時ごろが目安だが、
状況によって変わることもある。
電話確認を強くすすめる。
山歩きで2日間かけた体に、
硫黄の香りが沁みていく。
足の疲れがじわじわ抜けていく感覚。
このためだけに来てもいいだ。
宿泊もできる。
素朴な山小屋に近い環境で、食事は自炊になるが、
夜の静けさは街では絶対に手に入らないもの。
満天の星が、窓から見える。
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1967峰への行き方
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