ロープウェイを降りた瞬間、鼻をつく獣のにおいがした。 そして視界に飛び込んでくる、茶色い塊の群れ。 ヒグマだ。 ガラス越しでもなく、柵のずっと向こうでもなく、 わりと近い距離に、ふつうにいる。 のぼりべつクマ牧場は、そういう場所だ。
のぼりべつクマ牧場のおすすめスポット
のぼりべつクマ牧場|ヒグマが、こんなに近くにいる
入場してまず驚いたのは、スケールだ。
広い斜面に、40頭以上のヒグマがいる。
のんびり歩いているやつ、土を掘っているやつ、
なぜか仁王立ちで観客を見上げているやつ。
それぞれが勝手に生きている。
餌投げ体験が300円でできる。
クマせんべいを柵の外から投げると、
後ろ足で立ち上がって受け取ろうとする。
あの体格で、あの動き。
ちょっとだけ怖かった。
「第一牧場」は大型のヒグマが多く迫力満点。
「第二牧場」は比較的おとなしい個体が多い印象だ。
両方をじっくり見るだけで1時間は余裕で過ぎた。
施設内に「人間おり」という体験コーナーがある。
クマの視点で人間が見られる、という逆転の発想。
クマに見られている感覚が、妙にリアルだ。
ユーカラの里|ひっそり残る、アイヌの記憶
クマ牧場の敷地内に、アイヌ文化の展示エリアがある。
「ユーカラの里」という名前がついている。
正直、最初は軽い気持ちで入った。
クマを見た後のオマケくらいの感覚で。
でも、実物大で再現されたアイヌの集落を見ていたら、
足が止まった。
木の皮を縫い合わせた衣服、
魚を保存するための道具、
儀式のための彫刻。
暮らしの全部が、そこにあった。
北海道を旅すると、アイヌという言葉はよく見聞きする。
でも、これだけ「生活の具体」が見えたのは初めてだ。
あわせて15分ほどの滞在だったが、
なんとなく、静かな気持ちになった。
クマと並んで、ここに来る理由が生まれた場所だ。
山頂からの眺め|登別の地獄が、上から見える
ロープウェイの山頂駅を降りると、
すぐ右手に展望スペースがある。
眼下に広がるのは、登別温泉街。
そしてその奥に、地獄谷の茶色い荒地が見える。
硫黄のにおいがここまで届く日もある。
その日は風向きのせいか、うっすらと漂っている。
標高は約550メートル。
夏でも山頂は涼しく、半袖だと肌寒かった。
上着を一枚持っていくべきだ。
夕方近くに来ると、日が傾いて温泉街が金色に染まる。
登別の町がこんな顔をしていたとは知らない。
クマを見て、文化を知って、景色を眺める。
この山頂に、3つの体験が詰まっている。
ロープウェイに乗る価値は、十分あった。
モデルコース
のぼりべつクマ牧場への行き方
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