北海道の内陸深く、美深町。 観光地らしい派手さは何もない。 それでも冬になると、ここに来たくなる。 極寒のなかで湯に浸かり、雪原を眺める。 その静けさが、妙に忘れられない。 旭川から車で約1時間半。 たどり着いた先に、こんな場所があったのか。
びふか温泉のおすすめスポット
びふか温泉|マイナス20℃の外気と、41℃の湯のあいだで
冬の朝イチで入った。
気温はマイナス17℃だ。
露天風呂に出た瞬間、眉毛が凍った。
それでも湯船の中は熱くて、体の芯まで溶けていく感じがした。
泉質はナトリウム塩化物泉。
ぬるっとした肌触りで、上がったあとも体がずっとあたたかい。
湯上がりに飲んだ牛乳が200円。
小さなことだけど、ちゃんと覚えている。
内湯も広くて、地元のお年寄りが朝から来ている。
観光客が少ないぶん、妙にのんびりできる。
温泉スタンドも施設の外にあって、地元の人がポリタンクで汲んでいく姿が日常的だ。
ここは「天塩川温泉」とも呼ばれることがある。
天塩川がすぐそこを流れていて、冬は雪に埋もれた川沿いの景色が窓から見える。
それだけで、来た価値があると思えた。
美深町の街なか|何もないと思っていたら、あった
温泉だけで帰るつもりだ。
でも昼前に少し歩いてみた。
道の駅「びふか」には地元の野菜や乳製品が並んでいて、思ったより充実している。
美深産の牛乳を使ったソフトクリームが350円。
冬なのに食べた。おいしかった。
美深といえばチョウザメ。
ここはチョウザメの養殖が盛んで、道の駅でキャビアの加工品も売っている。
小さな瓶で2,500円ほど。北海道の内陸でキャビアを買うとは思っていない。
JR美深駅もすぐ近くにある。
無人駅で、ホームは雪に埋まっている。
列車は1日数本しか来ない。
それでも駅舎がきちんと整備されていて、地元の人が大事にしていることが伝わってくる。
派手なものは何もない。
でも歩いていると、なぜか落ち着く。
そういう街だ。
天塩川沿いの雪原|音がない
温泉施設のすぐ横に、天塩川が流れている。
冬は川沿いが一面の雪原になる。
夕方4時ごろに歩いてみた。
風もない。
本当に何も聞こえない。
雪を踏む自分の足音だけが、妙に大きく聞こえる。
空はオレンジとグレーが混ざったような色だ。
日が落ちるのが早い。
北海道の冬の夕暮れは、せわしない。
夏にはカヌーが盛んな川らしい。
天塩川は源流が美深町の北にあって、日本海まで流れていく。
そういう川が、静かに凍りかけている。
たいして長く歩いたわけじゃない。
15分くらいだ。
でも帰りに温泉に再入浴した。
夜の露天風呂は朝より静かで、星が出ている。
追加料金なしで再入浴できたのも、ありがたかった。
来てよかったと、また思った。
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びふか温泉への行き方
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