硫黄の匂いが、まず鼻をつく。 足元からは白い煙が湧き上がり、地面がじわじわと温かい。 ここは北海道・弟子屈にある「アトサヌプリ」。 標高512mの活火山だ。 冬に来ると、雪と噴気が混ざって、この世のものとは思えない景色が広がる。 一度見たら、忘れられない。
アトサヌプリのおすすめスポット
アトサヌプリ登山道|硫黄と雪煙の間を、ひたすら歩く
登山口に着いたのは朝8時。
気温はマイナス12度だ。
防寒対策は完璧なつもりだったけど、風が強くて顔が痛い。
それでも足を進めると、噴気孔のそばだけ妙に暖かい。
硫黄のにおいが濃くなる。
登山道は整備されているようで、冬は雪で埋まっている。
チェーンスパイクがないと正直きつい。
持参して正解だ。
山頂付近に近づくほど、植物がなくなっていく。
岩肌と噴気だけの世界。
雪が積もっているのに、地面から湯気が出ている。
その矛盾した光景が、やたらとかっこいい。
山頂から見える屈斜路湖は、冬は全面結氷している。
白い湖面が地平線まで続く。
ここでしか見られないやつだ。
往復で約2〜3時間。
体力的にはそこまできつくないが、装備だけはしっかり整えてから来てほしい。
砂湯エリア|屈斜路湖のほとり、地面を掘ると温泉が出る
アトサヌプリから車で10分ほど下ると、屈斜路湖の湖畔に出る。
そこが「砂湯」エリアだ。
湖のすぐそばの砂を手で掘ると、熱い湯が湧いてくる。
最初は信じられなくて、本当に素手で試する。
熱かった。本当に出た。
冬の時期、屈斜路湖にはオオハクチョウが飛来する。
湖が結氷していても、温泉が湧く砂湯付近だけは凍らない。
そこに白鳥が何十羽も集まっている。
白鳥と湖と、奥に見えるアトサヌプリの噴気。
全部が一枚の絵に収まる。
カメラのシャッターが止まらない。
入場料はかからない。
駐車場も無料。
温泉卵を売っている売店もあって、1個100円だ。
ほかほかのゆで卵を、極寒の湖畔で食べる。
これが妙にうまかった。
川湯温泉街|硫黄泉の強さに、最初は驚く
アトサヌプリの麓に広がるのが川湯温泉だ。
ここの温泉は強酸性の硫黄泉。
pH1.8という数字を聞いても最初はピンとこなかったが、入ってみてわかった。
肌がピリピリする。
本当に。
でも不快ではなく、むしろ「効いてる感」がある。
日帰り入浴ができる施設がいくつかある。
「御園ホテル」の立ち寄り湯は500円で入れた。
源泉かけ流し、湯量も豊富。
温泉街の雰囲気は、少し昭和が残っている感じ。
にぎやかではないけど、静かで落ち着く。
冬の夕方、雪が積もった温泉街をひとりで歩いた。
誰もいなくて、しんとしている。
それがよかった。
近くに「川湯エコミュージアムセンター」があって、アトサヌプリや周辺の自然についての展示がある。
無料で入れて、登山前に予習するのにちょうどいい。
モデルコース
アトサヌプリへの行き方
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