標高わずか848m。 それでも、頂上に立ったとき言葉を失った。 北海道・夕張山地の端っこにある小さな山、オダッシュ山。 有名じゃない。混まない。それがいい。 雪に埋まった登山道を一歩ずつ踏みしめていくと、 なぜかここにしかない静けさがある。
オダッシュ山のおすすめスポット
オダッシュ山登山口|静寂の入口、ここから別世界が始まる
登山口に着いたのは朝8時ごろだ。
駐車スペースは数台分しかない。
ほかに車はゼロ。
その時点で、今日は貸し切りだと確信した。
冬は雪で登山道の境界が消える。
トレースがあれば助かる。なければ自分でつける。
その日は前日に誰かが歩いた跡が残っている。
薄くて頼りないが、ないよりずっとマシだ。
スノーシューを履いて踏み出した瞬間、
あのギュッという雪の音が響く。
この音を聞くたびに、冬山に来たと実感する。
針葉樹の間を抜けていく最初の30分は急登だ。
汗が出る。息が上がる。
でも振り返ると、木々の隙間から白い平野が広がっている。
その景色で、足が止まる。
夏道と冬道はルートが少し違う。
事前に地図とGPSは必須。
これは絶対に省かないほうがいい。
オダッシュ山山頂|848m、それ以上の景色がそこにあった
登り始めから約2時間30分。
山頂が見える。
正直、「あそこか」と拍子抜けした。
こぢんまりしている。
でも一歩踏み出して、振り向いた。
夕張の山々が連なっている。
シューパロ湖が白く光っている。
晴れていれば、遠く日高の稜線まで見えると聞いている。
その日は確かに見える。
風が強かった。体感マイナス15度はあった。
でも動けない。
その場所に釘付けになった。
こういう景色は写真に収まらない。
スマホを構えたが、なんか違う。
しばらくカメラを下ろして、ただ見ている。
山頂の標識は小さくて素朴だ。
誰かが手作りしたような雰囲気がある。
その飾らなさが、この山にちょうど合っている。
滞在したのは20分ほど。
体が冷えてきたので下山を始めた。
下りは1時間45分で登山口まで戻れた。
栗山町市街|下山後の温かさが、また格別だ
下山して登山口に戻ったのは13時過ぎ。
体はくたくただ。
でも妙に清々しかった。
栗山町の中心部まで車で戻る。
30分ほどで着く。
町に入ると、急に人の気配がある。
コンビニの明かりがやたら温かく見える。
昼ご飯は遅めに、地元の定食屋へ。
日替わり定食が800円。
豚汁の量が多くて、それだけで満足した。
栗山町は静かな農業の町だ。
観光地然としていない。
そこが気に入った。
帰りは夕方の空が赤く染まる時間帯だ。
平野の向こうにオダッシュ山のシルエットが見える。
さっきあそこにいたのかと思ったら、
なんとも言えない気持ちになった。
次は秋に来よう。
紅葉の時期も絶対にいいはずだ。
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オダッシュ山への行き方
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