標高は低い。 でも、着いた瞬間に息をのんだ。 コトニヌプリは、北海道・朱鞠内湖の近くにひっそり立つ山だ。 標高530m足らずなのに、冬の景色だけは別格だ。 スノーシューを履いて、誰も踏んでいない雪原を歩く。 その静けさが、ずっと耳に残っている。
コトニヌプリのおすすめスポット
コトニヌプリ山頂|誰もいない、白い世界がそこにある
登山口から山頂まで、だいたい1時間半。
夏道はなく、冬しか登れない山だ。
スノーシューを借りて、朝8時にスタートした。
最初の30分はラッセルがきつかった。
前日に降った新雪が膝まで積もっている。
それでも、足を止められない。
樹林帯を抜けた瞬間、視界が一気に開いた。
朱鞠内湖が眼下に広がって、思わず声が出た。
湖面が凍って、白くて、どこまでも平らだ。
山頂は風が強い。
体感温度はマイナス20度を超えている。
それでも動けない。
あの景色の前では、寒さが理由にならない。
人がいない。
音がない。
自分の呼吸だけが聞こえる。
そういう場所だ。
朱鞠内湖|凍った湖の上を、歩いた
コトニヌプリを下りた後、湖まで歩いた。
凍った湖面に、恐る恐る足を踏み出した。
厚さ60〜70cmの氷が張っている。
割れるわけがないと頭ではわかっていても、
最初の一歩はどきどきした。
湖の真ん中に立つと、360度なにもない。
山が遠い。
空が広い。
風の音だけがある。
ここは氷上ワカサギ釣りでも有名だ。
テントが点々と並んで、釣り人がそれぞれ穴を開けている。
1日券は1,500円前後。
道具のレンタルも借りられた。
釣れた魚をその場で天ぷらにしてもらった。
揚げたてのワカサギは、衣が薄くてさくっとしている。
あれだけで来た甲斐がある。
幌加内・そば街道|下山後に食べる一杯が、本物だ
幌加内町はそばの作付面積が日本一だ。
町に入った瞬間、そば畑の広さに驚く。
夏なら白い花が一面に咲く。
コトニヌプリを下りた日の昼、町内の小さなそば屋に入った。
外観は民家とほぼ同じ。
暖簾がなければ通り過ぎている。
もりそばを頼んだ。900円。
黒っぽくて、太くて、香りが強い。
東京で食べるそばとは、別の食べ物だ。
体が冷えていたからか、汁の温かさが染みた。
山を歩いた後のそばは、やっぱり違う。
幌加内のそば祭りは毎年8月末。
全国からそば好きが集まる。
でも、静かな冬に食べるそばのほうが、
個人的には好きだ。
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コトニヌプリへの行き方
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