名寄から車で約1時間。 案内板もほとんどない山道を進んでいくと、急に視界が開ける。 ピッシリ山(標高1032m)は、観光地化されていない北海道の山だ。 冬に訪れると、その静けさに驚く。 風の音しかしない。 それが、ここに来る理由になった。
ピッシリ山のおすすめスポット
ピッシリ山登山口|誰もいない雪原に、足跡だけが続く
1月に訪れた。
気温はマイナス15度だ。
登山口に着いたのは朝8時半。
駐車場には車が1台も止まっていない。
雪はふかふかで、膝まで埋まる場所もある。
スノーシューを持ってきて正解だ。
レンタルは名寄市内のアウトドアショップで借りた。
1日2500円。
歩き始めると、自分の息の音だけが聞こえる。
トドマツの枝に積もった雪が、ときどきどさっと落ちる。
そのたびに心臓が跳ねた。
山頂まで約3時間。
夏道とはルートが変わるので、地図とコンパスは必須だ。
スマホの電波はほぼ入らない。
頂上に立ったとき、360度の白い世界が広がっている。
天塩岳や北大雪の山々が、薄い青空の下に並んでいる。
感動というより、圧倒された。
ここまで来て正解だったと、素直に思えた瞬間だ。
朱鞠内湖|氷の下に、別の世界がある
ピッシリ山の麓に、朱鞠内湖がある。
日本最大級の人造湖だ。
冬になると全面結氷する。
その厚さは最大で1メートルを超えることもある。
湖面に乗ったとき、恐怖と不思議が同時にやってきた。
1月下旬から3月上旬にかけて、ワカサギ釣りができる。
穴を開けて糸を垂らすだけ。
道具一式は現地でレンタルできる。
セット料金は約2000円。
釣り始めてすぐにかかった。
ワカサギは小さくて細い。
その日は2時間で30匹ほど釣れた。
釣り上げたワカサギは、その場で天ぷらにしてもらえる。
揚げたてを氷の上で食べた。
寒さで手がかじかんでいても、手が止まらない。
湖を囲む木々に霧氷がついている日は特に美しい。
白い羽毛のような氷が枝先を覆い、朝日に光る。
この景色を見るためだけに、また来たい。
幌加内そば|山を下りた後の、一杯が染みる
幌加内町は、日本一のそばの産地だ。
そう聞いても、最初はあまりピンとこない。
山から下りて、体が冷えきっている。
国道沿いの小さなそば屋に入った。
暖簾が半分、風でめくれている。
もりそばを頼んだ。
600円だ。
運ばれてきたそばは、色が少し黒い。
そば粉の割合が高い証拠だと、店のおじさんが教えてくれた。
一口すすると、香りが鼻に抜ける。
シンプルなのに、深い。
そばってこんなに旨かったのか、と思った瞬間だ。
寒い日に、冷たいそばを食べる。
変な組み合わせに聞こえるだ。
でも、体が温まった店内で、あのそばを食べると妙に合う。
幌加内町内にはそば屋が数軒ある。
どの店も地元産のそば粉を使っている。
ハズレがない。
昼食はここで食べることを、強くすすめたい。
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ピッシリ山への行き方
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