旭川から車で30分。 畑の中に、突然その庭が現れる。 「北海道にこんな場所があったのか」。 整然とした花壇じゃない。 野生的で、でも計算されていて。 風が吹くたびに景色が変わる庭。 上野ファームは、そういう場所だ。
上野ファームのおすすめスポット
上野ファーム|風と花が、勝手に動いている庭
入園料は大人1,000円。
5月から10月しか開いていない。
旭川市内から車で約25分、田園地帯のど真ん中にある。
正直、最初は「普通のガーデン観光か」と思って来た。
その認識は、門をくぐって10秒で崩れた。
視界いっぱいに広がる宿根草の群れ。
ラベンダーでも、チューリップ畑でもない。
イギリス式のナチュラルガーデンを、北海道の気候に合わせて作り上げたもの。
オーナーの上野砂由紀さんが20年かけて育てた庭だ。
風が吹くと、花が一斉に揺れる。
その動きが、絵じゃなくて生き物みたいで。
カメラを向けたまま、しばらく動けない。
「ノームの庭」と呼ばれるエリアには小さな妖精の置物。
子どもが喜ぶ、というより大人がこっそり笑う場所だ。
ショップ&カフェ|ここでしか買えないものが、ちゃんとある
敷地内にショップとカフェが併設されている。
お土産目的で寄るつもりが、1時間いた。
ショップには上野ファームオリジナルのハーブティー、
ドライフラワー、ガーデニング道具が並んでいる。
どれも「北海道限定」「旭川限定」ではなく、
「ここの庭から生まれたもの」という感じ。
それが、刺さった。
カフェは席数が少ない。
10席もないだ。
ランチタイムは混雑するので、11時前か14時以降がねらい目だ。
頼んだのは、季節のハーブを使ったドリンク。
確か700円台だ。
特別においしいというより、庭の空気ごと飲んでいる感じがした。
それで十分だ。
レジ横にある小さなポストカードが、気づいたら4枚手に持っている。
1枚150円。
庭の写真をそのまま切り取ったような一枚だ。
ガーデンの奥|誰もいない時間に、やっと庭と話せた
訪れたのは平日の午前中、9月の初旬。
気温は20度を下回っている。
ガーデンの奥のほうに、観光客がほとんど来ないエリアがある。
マップには載っているのに、なぜか人が少ない。
そこに木のベンチが一脚あった。
座ったら、風の音だけが聞こえる。
遠くに旭川の山の稜線が見える。
「庭を鑑賞する」から「庭の中にいる」に変わる瞬間が、
確かにそこにあった。
9月の庭は、花の数は夏より少ない。
でも色が深い。
オレンジ、深紅、枯れかけた茶色。
秋の北海道の光がそこに当たると、どこか哀愁がある。
入園してから結局2時間半いた。
予定は90分のつもりだ。
そういう庭だ。
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上野ファームへの行き方
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