夜景を見に来た。 それだけのつもりだ。 でも函館山は、昼と夜で全然違う顔を持っている。 ロープウェイを降りた瞬間、冬の空気が頬を刺す。 眼下に広がるのは、くびれた半島の両側に光が滲む街。 なぜこの夜景が世界三大と呼ばれるのか、立った瞬間にわかった。
函館山のおすすめスポット
函館山展望台|夜の8時、街全体が宝石になる
ロープウェイは片道1500円、所要3分。
あっという間に標高334メートルへ運ばれる。
展望台に出た瞬間、声が出ない。
左に津軽海峡、右に函館湾。
細い地峡に沿って街の灯りが広がっている。
地図で見た形が、そのまま光になっている。
冬は特別だ。
空気が澄んでいるから、輪郭がくっきりしている。
マイナス5度を下回る日もある。
手袋と耳あてがないと、5分で限界が来る。
夜景のピークは日没後30分。
夏なら19時台、冬は17時台がちょうどいい。
人が少ない午後4時台に上がって、日が暮れていく様子を見届けた。
グラデーションが変わるたびに、街の顔が変わっていく。
あの1時間は、ずっと覚えている。
函館山登山道|雪の斜面を歩いて、山頂を自分の足で踏む
ロープウェイだけが函館山じゃない。
冬以外なら、歩いて登れる道がある。
今回は11月の初雪前に、旧登山道コースを歩いた。
山麓駅から山頂まで約3キロ、所要1時間ちょっと。
それほどきつくはないが、道が細くて滑りやすい箇所がある。
途中で振り返ると、函館の街が少しずつ遠ざかっていく。
葉が落ちた林の隙間から、海が見える瞬間があった。
あそこで足を止めた。
誰もいなくて、風の音だけだ。
山頂についたとき、ロープウェイで来た観光客と合流した。
同じ場所に立っているのに、なんとなく違う達成感がある。
冬季は登山道が閉鎖される。
例年11月下旬から4月中旬まで通行禁止。
冬に来るなら、ロープウェイ一択になる。
その分、道に踏み込めた季節の記憶は貴重だ。
山麓エリア|元町の坂道で、登る前から函館にのめり込む
函館山の麓には、元町という古い街がある。
坂の多い地区で、外国人居留地だった時代の建物が残っている。
函館ハリストス正教会は、白と緑のコントラストが独特だ。
入場料200円。
中に入ると静かで、薄暗い。
観光地なのに、しんとしている。
近くの坂を歩いていて、急に海が見える。
函館は、どこにいても海が近い。
坂の上から津軽海峡がのぞける路地があって、そこで立ち止まった。
風が強くて、少し寒かった。
山に登る前に元町を歩くといい。
函館の高低差と地形が体でわかるから、夜景の見え方が変わる。
あの街の灯りがどこにあるか、歩いた記憶と重なる。
午後2時ごろから歩き始めて、暮れる前に山頂へ上がる。
この流れが、函館山を一番深く楽しめるルートだ。
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函館山への行き方
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