札幌から車で約90分。 国道を外れて細い道を進むと、急に湯気が見えてくる。 北湯沢温泉は、そういう場所だ。 看板も少ない。 派手な施設もない。 あるのは、深い森と、地面から湧き出る熱い湯だけ。 冬に来ると、その静けさがさらに際立つ。 雪に包まれた山の中で、体の芯まで温まる時間がある。
北湯沢温泉のおすすめスポット
北湯沢温泉郷|雪の中に、湯けむりだけが立つ
到着したのは1月の夕方、気温はマイナス10度だ。
車を降りた瞬間、顔が痛い。
なのに、温泉の湯気だけがもわもわと空に溶けていく。
その対比が、妙にうつくしかった。
北湯沢温泉は伊達市の山間部にある。
泉質は硫黄泉と炭酸水素塩泉が混在していて、源泉温度は60度前後。
肌に触れると、ぬるっとした感触がある。
いわゆる「美人の湯」と呼ばれる種類の湯だ。
露天風呂に入ったのは夜の9時ごろ。
空は真っ黒で、星がうるさいくらい出ている。
湯船の縁に雪が積もっていて、指でつつくと崩れた。
ほかに誰もいない。
こういう時間のために、ここまで来たんだ。
日帰り入浴も受け付けている施設がある。
料金は施設によって異なるが、500〜800円が目安。
午後2時から4時ごろが比較的空いている。
ホロホロ山・徳舜瞥山|登らなくても、見るだけで十分だ
温泉街の奥に、山がある。
ホロホロ山(標高1322m)と徳舜瞥山(標高1309m)だ。
夏は登山客が来るらしいが、冬は別の顔を見せる。
宿の窓から眺めた朝の山は、完全に白かった。
てっぺんまで雪に覆われていて、空との境がぼんやりしている。
コーヒーを飲みながら、20分くらいずっと見ている。
何もしていないのに、満足している。
冬のハイキングをやっている人もいた。
スノーシューを履いて、林道を歩くスタイル。
案内してくれるガイドツアーがあるらしく、1人5000円前後。
聞いただけで、今回は参加しない。
でも、やっておけばよかったと少し後悔している。
朝8時ごろの空気は特別だ。
雪の匂いと、どこかから漂ってくる硫黄の匂いが混ざる。
その匂いを吸い込むだけで、日常から切り離される感じがした。
それだけでも、来た意味がある。
北湯沢の食卓|山の宿の夕食は、余計なものがない
泊まった宿の夕食は、午後6時半から。
テーブルに並んだのは、地元の野菜の煮物、川魚の塩焼き、豚の味噌鍋。
品数は多くないが、どれもきちんとしている。
特に印象に残ったのが、豚肉だ。
伊達市は豚の産地として知られていて、その脂身が甘い。
味噌ベースのスープに沈んでいたが、最後の一口まで飽きない。
朝食は7時半から。
ご飯と味噌汁と、焼き魚と漬物。
それだけでいい、と思えた。
前日に露天風呂で体を絞り出した後の朝ごはんは、何でもおいしい。
近くに食堂はほとんどない。
道の駅「フォーレスト276大滝」まで車で約5分。
そこで売っている「きのこ汁」(300円)が地味においしかった。
具だくさんで、体が温まる。
日帰りで来る人は、ここで昼食を済ませてから温泉へ向かうのが現実的だ。
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北湯沢温泉への行き方
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